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インプラントができない?難しい症例7つと対応できるケース

YesかNoか

歯を失ってもインプラントの治療をすると、まるで再び自分の歯を取り戻したかのように生活できます。

インプラントは半永久的に使い続けられるので、希望者が後を絶ちません。

ただし、なかには病気との関連でできない人や難しい症例があります。

今回は、インプラントが難しい症例をご紹介し、そのなかで対応できるケースなどを説明していきます。

 

1.インプラント治療が難しい7つの例

考える医師

インプラントが難しい場合は以下の 7つのパターンです。

また、難しいといっても対応できるケースもありますので、記事の後半でご紹介します。まずは、難しいケースはどういったものなのかをご覧ください。

 

1-1.顎骨が不足している

顎骨のレントゲン

インプラントを埋入するための顎骨が少ないケースです。

インプラントは歯ぐきの内側にある顎の骨に直接埋め込む治療法ですが、最低でも骨の厚みや高さが5mm程度はないと、インプラントを支えることができません。

それどころか、顎骨が薄いとインプラントが骨から飛び出してお口の中に出てしまい、口内の怪我や細菌感染の危険があります。

 

1-2. 骨粗鬆症である

骨粗鬆症の高齢女性

骨粗鬆症になると骨密度が下がり、骨がもろくなっているためインプラントを支えるのが難しくなります。

女性は閉経を控えた40歳過ぎあたりから骨粗鬆症へのリスクが急激に増してきます。特に、60代では3人に1人がかかっているという報告もあります(滋賀医大医学部助教授(当時)山本 逸雄「骨粗鬆症人口の推移」より)。

年齢別に見た骨粗鬆症発病率のグラフ

山本 逸雄「骨粗鬆症人口の推移」より引用

 

1-3.重度の内蔵疾患がある

健康診断の結果

インプラント治療は外科手術で行うため、重度の高血圧や心臓病、ガンなどがある場合は難しくなります。

外科手術を行う際には、血管や免疫力が関係します。例えば高血圧や梗塞などがある場合、血液をサラサラにする薬を飲んでいることが多いものです。

そうした人が外科手術を受けると、血が止まらないことがあるのです。手術に対する不安やストレスなどで、血圧が上がってしまうことも考えられます。

また、心臓病やガン治療などをしている場合、全身の免疫力が低下している可能性が大きいので、外科手術に耐えられるかどうかも問題です。

 

1-4.重度の歯周病がある

歯周病

口内に重度の歯周病がある場合、インプラント周囲炎にかかる可能性があります。

インプラント周囲炎とは歯周病菌と同じ細菌が元となる病気で、インプラントの周辺組織を破壊してしまうのです。

お口の中に重度の歯周病があると、せっかくインプラントを入れたとしても、インプラント周囲炎にかかってインプラントがグラついたり、最悪の場合抜け落ちてしまったりすることがあります。

▶インプラントでかかる歯周病「インプラント周囲炎」とは?

 

1-5.糖尿病や免疫不全の病気がある

尿検査

糖尿病には1型と2型がありますが、特に1型の場合には免疫力の低下が激しく、細菌感染や骨の治癒・骨との結合にも影響を及ぼすリスクがあります。

また、2型でも血糖値のコントロールが不安定な場合や、医師の指示通りに薬を飲んでいない場合は難しいです。

 

免疫不全の病気はリウマチや膠原病、天疱瘡などで、ステロイドを使って治療している場合が多いです。

ステロイドも骨の治癒・骨との結合に影響を及ぼすリスクが高いとされています。

 

1-6.タバコを吸っている

喫煙

タバコに含まれるニコチンは、インプラントと骨との結合を妨げるので治療が困難になります。

インプラント治療の2週間くらい前から禁煙をしていただき、治療後も禁煙を続けるか、本数を減らすのが理想的です。

「なぜインプラントと骨が結合した治療後も禁煙しなければならないの?」と思う方もいらっしゃるでしょう。

しかし、ニコチンは歯茎の血行を悪くしてインプラント周囲炎になりやすく、出血しないのでインプラント周囲炎にかかっていても発見が遅れてしまうのです。

気づいたときにはすでに手遅れで、周囲炎が骨まで達して顎骨が痩せてしまった…という恐ろしい事態になりかねません。

インプラントのことを考えると禁煙するのがベストですが、どうしてもやめられないという人は、1日10本以内に抑えましょう。

 

1-7.インプラントが難しいその他の例

その他、病気ではありませんが以下のような場合もインプラント治療は難しいです。

  • 成長がまだ止まっていない18歳くらいまでの方
  • 妊娠中の方
  • 歯ぎしりや食いしばりのクセがある方
  • 歯みがきを習慣的にできない方
  • 治療後の定期検診に通えない方

 

インプラントの寿命を長くもたせる5つの方法と医師の選び方

 

2.インプラントが難しい症例への対応

治療する歯科医師

上記でご紹介したようなインプラントが難しい場合でも、以下の対応によって治療ができるケースがあります。

※ただし、その方の状態によるので必ずご相談ください。

 

2-1.骨が足りない場合

歯のレントゲン写真

骨が薄い、高さが足りないといった場合には、人工的に骨を増やしてから治療することが可能です。

骨を増やす治療のことを「造骨」「骨再生」などと呼びます。

人工の補填材を入れて骨を融合するのを待ち、十分に骨が出来上がってからインプラントを入れる治療に移ります

 

▶インプラントで行う「造骨」とは?どうやって骨を増やすの?

 

2-2.骨粗鬆症や、過去に骨粗鬆症の治療をしていた場合

骨の海綿状構造

骨粗鬆症の人でも、軽度でしたらインプラントを入れる部分のみに造骨治療をして、インプラントを埋入することが可能です。

ただし、骨粗鬆症の治療をする際に、ビスフォスフォネート系の薬を服用している場合は、薬との反応で骨が壊死してしまう可能性があるため禁忌となります。

また、現在は完治していても、過去にビスフォスフォネート系の薬を服用していた場合にも当てはまります。

米国口腔学会の「BP系薬剤関連顎骨壊死(BRONJ)の診断基準」によると、BP(ビスフォスフォネート)系薬剤による治療を現在行っているか、または過去に行っている場合としています。

 

2-3.歯周病がある場合

歯の治療を受ける女性

口内に歯周病がある場合は、インプラント治療をする前に治すことが必要です。

インプラントはインプラント周囲炎にかかると著しく寿命を縮めてしまいます。

インプラント治療をする歯科医院がインプラント専門の場合には、歯周病の治療は他院ですることになりますが、その場合2つの歯科医院でそれぞれ検査をすることになります。

しかし、通常の治療を兼ねている歯科医院なら1度の検査で済みます。インプラント治療への移行もスムーズなので、できれば同じ医院でするのがおすすめです。

 

2-4.糖尿病の場合

糖尿病の治療

糖尿病でも2型で血糖値のコントロールができている場合や、腎不全や心血管病変などの重篤な合併症がなければ、インプラント治療が可能です。

インプラント治療の際には、事前に必ずカウンセリングで糖尿病があるかどうかを確認します。

糖尿病がある場合には、内科医師と連絡をとり、治療が可能かどうかを判断します。

 

2-4.血液に問題がある場合

血液のイメージ

高血圧や梗塞など、血液に問題がある場合には事前に血液の検査を行います。

検査の値や内科医との相談によっては、インプラント治療が可能になるケースも多いです。

外科手術への不安が大きく血圧が上がってしまいそうな方には、静脈内鎮静法という対応もしています。

静脈内鎮静法とは点滴で麻酔をしながらインプラント治療を行う方法で、リラックスしてウトウトしている間に治療が終了します。

 

2-5.妊娠中の場合

妊娠している女性

妊娠中の場合は、5ヶ月を過ぎた安定期インプラント体の埋入を行い、出産後に上部の人工歯を取り付けることも可能です。

インプラントは大きく3構造になっており、インプラント体という骨埋める部分を埋入してから骨としっかりと結合するまでに数ヶ月かかります。

妊娠期間を利用して、骨とインプラントが固定するのを待つことが可能なのです。

ただし、その方の妊娠の状態にもよります産科の担当医とよく相談した上で、治療が可能かどうかを判断します。

 

他院で断られても諦めないでまずはご相談してみてください

インプラントについて相談する男性

インプラントは入れ歯やブリッジよりも長持ちし、自分の歯のようになんでも噛める理想的な治療法です。

ただ、場合によっては治療が難しいケースもあります。

当院では知識が豊富で様々な症例を経験している医師がインプラントを担当するため、他院で治療を断られてしまったケースでも治療可能となる場合が数多くあります。

「病気があるから」「他院で断られたから」と諦めず、まずはお気軽にご相談してみてください。

じっくりとお話を聞き、適切な判断をいたします。

 

◆この記事のまとめ
1.顎骨が不足していても造骨・骨再生で可能なケースがある
2.骨粗鬆症でも軽度なら治療できるケースがある
3.軽度の内臓疾患なら担当医と相談して可能になるケースがある
4.歯周病がある場合は治療して改善してからインプラント治療をする
5.糖尿病の場合は低血糖値がコントロールできていれば治療が可能
6.血圧が心配な方は静脈内鎮静法で治療が可能になるケースがある
7.妊娠中でも安定期を利用して治療が行える場合がある