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抜歯した後にインプラントを入れる最適なタイミングとは?

インプラントのための歯の抽出

歯を欠損したりなくなってしまったりして歯の根が残っていた場合、インプラントを埋入する前に抜歯をします。

ただ、抜歯をしてからすぐにインプラントを埋入する場合と、しばらく期間をおいてからインプラントを入れる場合があります。

なぜ、同じインプラントを入れる治療なのにタイミングが違うのか、不思議ですよね。

この記事では、抜歯してからインプラントを入れるまでのタイミングについて、詳しくご紹介します。

 

1.抜歯直後にインプラントを埋入する「抜歯即時埋入法」

インプラントを埋入する歯科医師

インプラントを埋入するには、まず土台となる骨周辺をきれいにしなければなりません。抜歯、洗浄、消毒などを行います。

抜歯してから然るべき処理をしたあとすぐにインプラントを埋入することを、抜歯即時埋入法と呼びます。

抜歯した後は、通常なら歯肉や骨の治癒が必要です。治癒が完全でないと細菌感染のリスクが高まってしまうからです。そのため、以前は2〜3ヶ月ほど治癒期間をおくのが普通でした。

しかし、現在では技術が進化し、一定の条件がクリアできれば、抜歯後すぐにでもインプラントを埋入することができるようになりました。

 

1-1.抜歯即時埋入法のメリット

抜歯即時埋入法のメリットはたくさんあります。主なところでは、外科手術が1回で済むので、治療期間が短くなり、患者さんの負担も軽くなるということです。

メリットをまとめると以下のようになります。

  • ・治療期間を短縮できる
  • ・外科手術が1回で済む
  • ・患者さんの精神的・肉体的負担が少ない
  • ・歯ぐきの形状が変化しないうちに治療できる
  • ・抜歯した部分の骨が痩せにくい
  • ・抜歯直後は自然治癒の力が活発になるので傷口の回復が早い

 

1-2.抜歯即時埋入法のデメリット

デメリットはどちらかというと対応できないケースがあるということです。すべての方が抜歯即時埋入法ができればよいのですが、できない場合もあります。

  • ・歯科医師の高度な技術を必要とするため、行っていない歯科医院もある
  • ・条件が満たされずできない方もいる
  • ・使用できるインプラントシステムがある程度限られる

 

インプラントシステムとは、インプラントメーカーが販売する商品のことです。

インプラントシステムは歯科医院によって取り扱うものが異なります。現在ではほとんどのインプラントシステムが即時埋入に対応していますが、まれに対応していないものもあります

また、インプラントは大まかにいうと3構造からなっており、3構造で1セットです。メーカーごとに規格が異なるので、インプラント体は○○社、接続パーツは△△社というふうに、構造ごとに別メーカーの商品にすることはできません

 

1-3.抜歯即時埋入法が可能な方の条件

誰でもできることなら即時埋入をしたいところですが、この方法が可能な方には一定の条件が必要です。

抜歯即時埋入法が可能な方は、以下のような条件を満たす方です。

  • ・対象となる部分や周辺の歯に歯周病や虫歯がない
  • ・顎骨に大きな欠損などがない
  • ・良好な初期固定が得られると予測できる
  • ・インプラント体を埋入するのに十分な骨の厚みと高さがある

 

初期固定とは、インプラント体と骨とが初期の段階で物理的にしっかりと固定されて安定することです。
初期固定がしっかりしていれば、骨組織とインプラント体は、だんだんと自然に融合していきます。
しかし、初期固定が不完全だと、骨組織とインプラントの融合は難しくなるのです。

 

2.抜歯後、期間を開けてインプラントを入れる「抜歯待時埋入法」

時間経過が必要な治療

抜歯をして傷口がある程度回復するのを待ってからインプラントを埋入する方法を、抜歯待時埋入法といいます。以前はこの方法一択でした。

「今は抜歯即時埋入法があるのにどうしてわざわざ待つ必要があるの?」と思う方もいるかも知れません。

しかし、歯周病怪我などによって骨が吸収されてやせていたり歯ぐきが損傷していたりすることがあります。

そうした場合にはインプラントを支えるための十分な土台がないため、造骨治療や歯ぐきの移植などを行ってからインプラント治療に入ることになります。

損傷が大きいままインプラントを埋入してしまうと、見た目にもよくありませんし細菌感染のリスクも高まります。

抜歯待時埋入法には、さらに3つのパターンがあります。

  • ・歯ぐきの治癒を待ち、抜歯から1〜2ヶ月後にインプラントを埋入する方法
  • ・歯ぐきと顎骨の治癒を待ち、抜歯から3〜4ヶ月後にインプラントを埋入する方法
  • ・歯ぐきと顎骨が完全に治癒するのを待ち、抜歯から6ヶ月以上経ってからインプラントを埋入する方法

 

2-1.抜歯待時埋入法のメリット

抜歯待時埋入法の一番のメリットは、顎骨や歯ぐきが損傷していても治療が行えるという点です。その他のメリットは以下になります。

  • ・インプラント治療で対応できる確率が高まる
  • ・感染のリスクを最小限に抑えられる
  • ・骨形成や移植などをして土台を整えるので、インプラントを理想的な位置に埋めやすい
  • ・良好な初期固定が得られやすくなる

 

2-2.抜歯待時埋入法のデメリット

抜歯待時埋入法のデメリットは以下のものです。

  • ・傷口が治るのを待つため、治療全体の期間が長くなる
  • ・外科手術を2回行う
  • ・患者さんへの精神的・肉体的負担が増える
  • ・審美的な問題がある

 

審美的な問題とは、見た感じで抜歯したことが分かってしまうことです抜歯後は詰め物などをしますが、インプラントの埋入を待つ間、どうしてもほかの歯とは異なってしまいます。

 

2-3. 抜歯待時埋入法が必要な方

抜歯待時埋入法が必要なのは、以下のような方です。

  • ・顎骨を大きく欠損している
  • ・インプラントを埋入するのに顎骨の十分な厚みや高さがない
  • ・歯ぐきが損傷してインプラントを埋入する前に治療が必要

 

抜歯してから数年以上経っている部分に、インプラント治療を行う場合もあります(成熟側埋入)。

成熟側埋入とは?
“抜歯後6ヶ月以上経過し、完全に骨化した状態でのインプラント埋入という。遅延埋入ともいわれる。” (歯科専門出版社Quint Dental Gateのサイトより引用)

 

インプラントを埋入する最適なタイミングは人によって異なる

美しい歯並びの女性

インプラントを埋入するタイミングは、その方のお口の状態によってさまざまです。

インプラントを埋入するのに良い条件が揃っていればすぐにでも埋入できますし、骨や歯ぐきの治癒が必要な方は、一定期間をおいてから行います。

最適なタイミングは治療方法によって大きく左右されますので、診断した医師に直接聞くのが良いでしょう。

 

 

◆この記事のまとめ
1.抜歯後すぐにインプラントを埋入するのは抜歯即時埋入法
2.抜歯後別の処理や治癒期間が必要なのは抜歯待時埋入法
3.抜歯後6ヶ月以上経ってからインプラントを埋入するのは成熟側埋入
4.インプラントを埋入するタイミングは状態によって異なる