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インプラントだとMRIができないって本当?検査はどうすればいいの?

MRI装置

人間ドックや脳の検査を受けた方はご存知だと思いますが、MRIをとるときは身につけている金属をすべて外すように言われますね。

インプラント治療を検討する方で、インプラントに使われている金属を心配される方もいらっしゃるのではないでしょうか。

インプラントを希望する方の多くは、歯周病にかかって歯を失う30代・40代以降の方々です。この世代は成人病や梗塞などが増えることから人間ドックなどの検査を受ける機会も多くなり、歯科でもMRIに関する質問がよく寄せられます。

この記事では、インプラントをしているとMRIは受けられないのか、もし断られたときはどうしたらいいのかという疑問に対して詳しくご説明します。

 

1.MRIとは

まずは、MRIとはどういったものなのかを簡単にご説明しましょう。

MRIは、体の断面を色々な角度から撮影できる機械です。可動式の台の上に横になり、トンネルのような丸い形の機械に入っていく医療機器を、テレビドラマなどで見たことがある方も多いでしょう。

MRIのしくみは、強力な電磁波を発生させ、体内の水分に共鳴させて信号をキャッチすることで撮影します。脳や脊髄、臓器、関節など全身のあらゆる部分を検査することができるので、脳梗塞や人間ドックの検査などに用いられています。

 

1-1.MRIと金属の関係

MRIでNGな貴金属

MRI検査を受ける際に「腕時計やアクセサリーなど、身に着けている金属を外してください」と言われるのには、以下の2つの理由があります。

  • ・強力な磁力によって金属が引き寄せられ、MRI装置が壊れてしまう
  • ・金属の影響でMRI画像に乱れが生じる

 

MRI装置の磁気はとても強力で、少しくらい離れていても吸い寄せられてしまうほどです。

2012年 医療事故報告収集等事業 第30回報告書によると、主に酸素ボンベ植え込み式のペースメーカー(人工心臓弁)人工内耳などによる事故が報告されています。具体的な実例としては、ストレッチャーの下についていた酸素ボンベが吸着してMRI装置が破壊された例や、鉄製のトレイが吸着されて飛んで怪我をするといった例が記載されています。

酸素ボンベがどのくらいの大きさは不明ですが、程度の大きさと重さがあるものには違いありません。そのようなものが吸い寄せられるということは、どれほど強力なのかが分かりますね。

 

1-2.インプラントの金属「チタン」は磁力に反応しにくい

大きな○が描かれたカードを持つ女性

では、インプラントはどうなのかというと、結論から言えばMRI装置には吸着されません。つまり、MRI検査ができます

顎骨に埋めるインプラント体に使われている金属は、チタンチタン合金です。チタンは金属の中でも磁力の影響を受けにくい「非磁性体」と呼ばれるもので、MRI検査に支障をきたすことはないといって良いでしょう。

では、上部の人工歯(被せもの)はどうなの?という疑問が湧いてきますね。現在のMRI装置は性能がよくなっており、保険適用の銀歯やメタルボンドにしている場合でも影響が出ることはほぼないといえるでしょう。

ただし、頭部や首から上のMRI検査をする際に、撮影をする場所によってはMRI画像が乱れることがあるかもしれません。首から上のMRI検査をする際に被せものを外すよう指示された場合は、歯科医師にご相談ください

 

2.MRIで注意したいインプラントもある

基本的にインプラントをしていてもMRI検査は可能ですが、磁気のパーツを使用するタイプのインプラントには注意が必要です。

 

2-1.オーバーデンチャー

インプラント-オーバーデンチャー

パーツに磁石を使う可能性があるのは、オーバーデンチャーというインプラントです。

オーバーデンチャーは、数本のインプラントで入れ歯全体を支えられる比較的新しい治療法です。

磁石が使われるのは、インプラント体と入れ歯の接着部分です。通常のインプラントは上部構造も自分では外せませんが、オーバーデンチャーの入れ歯部分は着脱可能で、ご自分で清掃ができます。

オーバーデンチャーの接着部分には磁石のほかにねじ式などもあります。ご自分がどのタイプのオーバーデンチャーなのか、確認しておきましょう。

もし磁石式を使っている場合には、事前に歯科医院で取り除くことができます。検査が終わったら歯科医院で再び装着し、元通りにします。

 

3.CTは大丈夫なの?MRIとCTの違い

考える女性

MRIと似ているもので、CTという検査がありますよね。CTは歯科医院でも使う、医療用の撮影機器です。

MRIとCTの違いもよくご質問されるので、ここでご説明しますね。

 

MRIは磁気によって撮影するものですが、CTはX線によって撮影します。撮影原理が違うということですね。

また、MRIは関節や脊髄など水分が多い場所を撮影することを得意としますが、CTは水分が少ない骨などの撮影を得意とします。

MRIとCTは、撮影方法も技術もまったく異なるものです。どちらも体の断面を撮影するので、よく一緒に語られることが多いですが、検査の目的に応じて行われます。

インプラント治療では、事前検査としてCT撮影が必要です。あご骨や骨周辺の状態を立体的に把握できるからです。

※歯科で使うCTは、放射線といってもごく微量なので人体に悪影響を及ぼすことはありません。また、撮影時は万が一のために、放射線を通さない特殊なエプロンを装着していただきますので、ご安心ください。妊娠中の方も安全に受けていただけますが、事前に医師にご相談ください。

 

4.もし医療機関に断られてしまったら

説明を神妙に聞く患者さん

もし、MRI検査をする医療機関からインプラントを入れているとできない・インプラントを外してきてほしいと言われても、インプラント全体を外す必要はありません

上部構造のパーツだけを外せば、なんの問題もなくMRIを受けられます。

また、医療の現場でインプラントというと、人体に埋め込む機器全般を指すため、ごくまれに歯のインプラントもNGと思い込んでいる医療従事者もいることがあります。しかし、チタン製だと伝えれば問題ないでしょう。

※現在MRI検査に関して禁忌とされている体内医療機器は、古いタイプの心臓ペースメーカー、人工内耳、除細動器、脳動脈クリップなどとされています(詳しくはMRI検査を行う医療機関にお問い合わせください)。

 

結論!インプラントはチタン製なのでMRI検査を受けられます

結論として、インプラントはチタン製なので、MRI検査は受けられます。ただし、接続部分に磁石を用いているインプラントはできません。ご自分のインプラントに使われている材料がわからない場合は、医師に確認しておきましょう。

また、MRI検査を受けることが分かっている場合は、事前に歯科医師にご相談いただけると安心です。

 

◆この記事のまとめ
1.MRIは強力な磁気を利用して撮影する装置
2.金属を写すと画像が乱れたり装置が破壊されることがある
3.インプラントに使われるチタンはMRIに影響を及ぼさない
4.オーバーデンチャーで磁気の接続部分を使っている場合はNG
5.CTとMRIは撮影原理や写る画像が全く違う