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インプラント治療後に起こる頭痛で考えられる4つの原因と対処法

食事中に頭痛がして思わずこめかみを押さえる主婦

インターネットなどで、「インプラントを入れた途端、片頭痛が頻繁に起こるようになった」という例を見かけることがあります。

インプラントは生活を快適にするものなので、本来であれば治療後に頭痛などの不調が出るのはおかしいですし、インプラント治療は極めて成功率の高い治療です。

ただ、成功率が高いといってもリスクはゼロではありません。今回は、インプラント治療後に頭痛が出た場合に考えられる原因と対処法をご紹介します。

 

1.インプラント治療後に頭痛が頻発する原因とは?

治療中の麻酔などで、軽い頭痛やめまいがする体質の方はいらっしゃいますが、それとは別にインプラントの治療後に頭痛が起きる原因としては、以下の4つが考えられます。

  • ・かみ合わせが合わなくなった
  • ・歯顎関節症になった
  • ・上顎洞に傷がついた
  • ・インプラント周囲炎になっている

 

それではひとつずつ詳しく解説していきます。

 

1-1.かみ合わせが合わなくなった

かみ合わせがズレている模型

インプラントを入れてかみ合わせが悪くなると、インプラントや他の歯に余計な圧力がかかりすぎて頭痛が起こることがあります。

一番多いのは、上部構造のネジがゆるんでかみ合わせが合わなくなるケースです。ネジがゆるんでいるだけなら、すぐに直せるので心配はありません。

 

インプラントの治療は、事前にCT検査やレントゲン検査を行って、最終的なかみ合わせや見た目の美しさまで考慮するのが一般的です。

しかし、なかには残念なことに、ただ失った歯の機能の回復だけを考えて安易にインプラント治療をする歯科医師もいます。

歯を失ってから時間が経っている場合、骨が吸収されて顎骨だけでなく頭蓋骨や首の骨が歪んでしまっていることがあります。その場合、インプラントを入れる前に、左右のバランスを治す必要があるのです。

インプラント治療をする際には、解剖学的な知識を持った、インプラント専門医が在籍する歯科医院や病院などで受けることをおすすめします。

 

1-2.顎関節症になった

顎関節症を示す頭蓋骨

かみ合わせが悪いのを放置しておくと、どんどん進行して顎骨のずれが大きくなっていき、顎関節症になってしまうことがあります。

顎関節症の症状は、以下のとおりです。

  • ・頭痛
  • ・口を開閉すると音がする
  • ・口が開きにくい

 

初期段階では、口の開閉時にカクカク・ゴリゴリなどといった音がすることが多いです。また、かみ合わせの悪さから首や肩の筋肉が緊張して、頭痛が引き起こされることもあります。症状が進むにつれて口が開きにくくなり、やがて普通に口を開けて食べられなくなり、1cm未満しか開かなくなることもあります。

顎関節症は、かみ合わせを治すことで改善されます。

 

1-3.上顎洞に傷がついた

上顎洞の図

上顎にインプラントを入れる場合、すぐ上の上顎洞という空洞に歯科用のドリルなどで傷をつけてしまうと、そこから細菌感染する恐れがあります。

もしそうなった場合、歯性上顎洞炎になる可能性があります。歯性上顎洞炎とは、上顎洞に入り込んだ細菌が炎症を起こすことで、いわゆる蓄膿症です。(口腔内に関連した蓄膿症を歯性上顎洞炎と呼びます)

歯性上顎洞炎は、以下のような症状があります。

  • ・頭痛がする
  • ・鼻が詰まる
  • ・発熱する
  • ・鼻から黄色い膿が出る
  • ・頬が痛む

 

1-4.インプラント周囲炎になっている

細菌感染や出血のイメージ

インプラント周囲炎とは、インプラントの周辺組織が歯周病に侵されてしまう病気のことです。

インプラント周囲炎になると、以下のような症状が出ます。

  • ・歯ぐきが腫れる・赤くなる
  • ・歯みがき時に出血する
  • ・かみ合わせが合わなくなる
  • ・インプラントを入れたところが痛い
  • ・インプラントがグラつく
  • ・膿が出る
  • ・インプラントが抜け落ちる

 

初期の段階では自覚症状はありませんが、症状が進むと骨が吸収されてかみ合わせが悪くなり、口周りの筋肉が緊張して頭痛を引き起こことがあります。

 

2.インプラントが原因の頭痛への対策

インプラントが原因の頭痛を改善するには、原因を取り除くしかありません。

  • かみ合わせが原因→かみ合わせを整える
  • インプラント自体が原因→インプラントの位置を正す
  • 細菌感染が原因→インプラント周囲炎を治療する

 

具体的な方法としては、以下のようなことを行います。

 

2-1.ネジを外して締め直す

インプラントの上部構造のアップ

インプラントの上部のネジがゆるんでいる場合には、一度上部構造を外してネジを締め直す必要があります。

レントゲンを撮ればすぐに分かりますので、医師としてはまずはこちらから疑います。

保証期間中でしたら無償で行なえますし、年月が経っていてもネジを締め直すだけならそれほど費用はかかりません。

 

2-2.スプリントでかみ合わせを調整する

マウスピースで歯列を矯正

かみ合わせが悪くて顎関節症などになってしまった場合スプリントというマウスピース治療でかみ合わせを調整することが可能です。

上下のかみ合わせが正しい位置に直ってくれば、お口まわりの筋肉の緊張もゆるんで頭痛が改善されるでしょう。

また、どちらか片方で噛む癖がある方や、頬杖をつく癖のある方は、左右のかみ合わせが悪くなりがちです。この機会にぜひ治しましょう。

 

2-3.再治療をする

手術中の医師と助手

インプラントを埋入した位置が悪い場合には、撤去して埋入し直します。

入れ直したインプラントが安定するまでに時間はかかりますが、インプラントが原因の頭痛や体調不良などは改善されます

この場合は明らかに医療機関側のミスと考えられますので、無償でやってくれるはずです。

 

2-4.インプラント周囲炎を治療する

歯科治療の風景

インプラント周囲炎になっている場合には、早急に治療が必要です。

インプラント周囲炎を放置しておくと、最悪の場合、支える土台である骨が溶けてなくなり、インプラントが抜け落ちてしまいます。

頭痛だけでなく周囲の歯や歯ぐきの激しい痛みや、膿が溜まることによる口臭も起こります。

インプラント周囲炎の治療は、軽度なら歯科専用の機械で掃除や殺菌を行えば沈静化することが可能です。

重度の場合には外科手術をして感染した部分を取り除かなければなりません

治療の負担を少なくするためにも、インプラント周囲炎が疑われる場合には速やかに歯科医師に相談しましょう。

 

インプラントが原因の頭痛は放っておかないで!

インプラントを入れてから起こる頭痛は、何らかのトラブルが起こっている可能性が高いです。

そのままにしておくと体全体の健康にもよくありませんし、最悪の場合は再治療しなければならないかもしれません。

もしも頭痛が頻繁に起きるようなら、我慢せずに一度歯科医師に相談しましょう

事情があって治療した歯科医院に行けない場合にも、ぜひご相談ください。

 

◆この記事のまとめ
1.インプラントが原因の頭痛には、様々なケースがある。
2.かみ合わせがずれて顎関節症になることもある
3.かみ合わせのズレはマウスピース治療などで改善できる
4.インプラントの位置に原因がある場合は再治療が必要
5.インプラント周囲炎は掃除・殺菌・感染部位の除去などを行う