インプラントの治療後に周辺の歯茎や頬が腫れると不安ですね。
腫れには色々な原因があり、放置していても良いケースと、早急な対処が必要なケースがあります。
ここではインプラント治療後の様々な腫れと、その対処法についてご紹介します。
今まさに腫れていて対処法を探している方や、これからインプラント治療を受ける方の参考になれば幸いです。
目次
1.腫れるのはどんな時?
インプラント治療後に腫れるのは、以下の2種類に分けられます。
- ・インプラント手術の直後
- ・インプラント治療完了後
それぞれいくつかの原因が考えられますので、具体的に説明していきますね。
1-1.インプラント手術の直後に腫れるケース
手術直後に腫れる場合には、以下のような原因があります。
- ・生体反応による自然な腫れ
- ・細菌感染
- ・何らかの理由でインプラントと骨が結合していない
どんな手術でも、術後に腫れが出るのはやむを得ません。しかし、傷口に細菌が入ったことによる細菌感染や、骨質や服用している薬の影響などによってインプラントと骨が結合していないといった原因も考えられます。
歯科医院ではそのようなことがないように、感染対策の徹底や事前の詳しい問診や精密な検査をしなければなりません。
1-2.インプラント治療が完了してから腫れるケース
インプラント治療が完了してしばらく経ってから腫れる場合は、以下のことが考えられます。
- ・インプラント周囲炎になっている
- ・ホルモンバランスの乱れや病気
- ・隣接した歯の治療跡が炎症している
インプラント周囲炎とは、インプラント周辺に炎症が起こり、歯茎や骨が腫れたり溶けたりしてしまうことをいいます。天然歯の歯周病と同じと考えれば分かりやすいでしょう。
また、インプラント治療がきっかけで、古い治療跡の下にあった膿が出てきたり炎症を起こしたりすることがあります。
手術後に処方される薬は鎮痛剤と化膿止めです。飲み切ることで感染症などを予防できますので、最後まで飲みきりましょう。
2.インプラント手術直後の腫れへの対処法
インプラント手術直後に、ある程度腫れてしまうのは自然なことです。
腕や足を怪我すると、傷口が少し膨らみますよね。あの状態と同じです。
ほとんどの場合、腫れは1週間もすれば自然に引いていくので心配ありません。
2-1.冷やす時は冷やし過ぎに注意
早く腫れを引きたい時は、外側(頬)から冷やすのが効果的です。
ただし、保冷剤や氷を直に当てると冷えすぎて血行が悪くなり、骨への結合がしにくくなることがあるので注意が必要です。
冷やすなら濡れタオルを絞って当てる程度に留めましょう。
3-2.腫れが大きい時・痛みを伴う時
もしも腫れが大きい場合や、痛みを伴っている場合には、歯科医院にすぐに電話して指示を仰いで下さい。
細菌感染や骨への結合がうまくいっていない可能性もあるので、早急に診察し、然るべき対応が必要です。
手術後には鎮痛剤が処方されますが、鎮痛剤を飲んでも痛みが止まらない時も同様です。
3.インプラント治療が完了した後の腫れへの対処法
インプラント治療をしてからしばらく経ってから腫れが出た場合には、できるだけ早めにご連絡ください。
受診まで時間がある場合は、一時的に市販の鎮痛剤を使用するのもおすすめです。また、受診までは以下のことに気をつけて過ごしましょう。
- ・激辛料理や刺激のある食べ物は控える
- ・極端に熱い・または冷たい飲食物は控える
- ・硬い食べ物は控える
- ・できる範囲で口腔内の清潔を保っておく。薬用マウスウォッシュがおすすめ
インプラント周囲炎になっている場合は進行が早いので、早めに対処するほど進行をストップすることができます。
痛みがなく腫れているだけなど、症状がごく軽い場合には、消毒だけで症状が収まるケースもあります。しかし、症状が重い場合には、歯周病になっている患部を取り除く治療が必要です。
インプラント周囲炎は放置しておくと骨まで溶けてしまいます。ある日突然、インプラントがポロッと抜け落ちてしまう例もあるので、くれぐれも放置しないよう注意しましょう。
4.腫れが引く期間は治療によって異なる
インプラント治療は人によって埋入の本数が違い、骨再生の治療をしたりする人もいるため、腫れが引く期間にも個人差があります。
また、患者さんの体質によっても異なります。中には腫れが長引く人もいますが、歯科医師からの説明の期間内であれば、インプラント治療の失敗ではありません。
腫れが引くのには個人差がありますが、心配なら歯科医院に相談すると安心です。
5.インプラント治療後に腫れないための注意点
インプラント治療の完了後に腫れる多くの原因は、インプラント周囲炎です。インプラント周囲炎を予防するには、以下のことに心がけることが重要です。
- ・毎食後と就寝前の歯みがき
- ・ブラッシングと歯間ケア
- ・定期検診
定期検診は、6ヶ月に1度程度受けるのがおすすめです。定期検診ではインプラント治療後の経過や口内細菌のチェック、セルフケアではできない専門機器によるクリーニング、歯磨き指導などを行っています。
毎日のセルフケアに加え、定期的にプロのケアを受けていれば、より確実に予防することができます。
6.他院で治療を受ける場合
引っ越しして治療した歯科医院に通えない場合や、治療後に時間が経ちすぎていて他院で治療を受けたい場合には、以下のことをしっかりと伝えましょう。
- ・腫れに気づいた時期
- ・腫れに気づいたきっかけ
- ・服用した鎮痛剤や薬
- ・インプラントの状態(グラつきや腫れ)
また、インプラントにはいくつかの種類があるので、できれば同じ種類のインプラントを扱っている歯科医院を探しましょう。
種類が異なる場合、治療を断られることがありますが、同じであればスムーズに治療を受けることができます。
他院を受診する前にまずは電話してインプラントの種類を伝え、診てもらえるかどうか確認しておくのがおすすめです。
インプラントで腫れが出たら適切に対処しよう!
インプラントで腫れが出た場合には、おおよその原因の見当をつけて適切に対処することが重要です。
放置しておいていいかどうかよく分からない場合には、歯科医院に相談してくださいね。
- ◆この記事のまとめ
- 1.腫れには手術直後と治療完了後の2つのケースがある
- 2.手術直後に腫れるのは自然なこと
- 3.まれに細菌感染や結合がうまくいっていないことがある
- 4.治療後しばらくしてからの腫れはインプラント周囲炎になっていることが多い
- 5.術後の自然な腫れはしばらくすれば自然に引いていく
- 6.腫れや痛みが大きい場合・長引く場合には医師に連絡する
- 7.治療完了後に腫れが生じた場合にはできるだけ早めに受診する