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インプラントの失敗例|治療前に知っておいたほうがいいちょっと怖い話

こんにちは、田口歯科医院です。今回は、インプラントに関するちょっと怖くてためになるお話です。

近年ではインプラントに対する考え方が、医師の間にも患者様の間にもだいぶ広まってきたので、失敗例は以前に比べると少なくなってきました。

しかし、脅すわけではありませんが、技術や知識が未熟な医師が、安易に治療を行って失敗してしまう例の報告はまだまだ跡をたちません。

そこで、ここではインプラントの失敗例にはどんなものがあるかということをご紹介します。失敗するとどんな危険があるのかがお分かりになるでしょう。

インプラント治療の歯科医院選びのポイントや、インプラント治療を受けた後に失敗しない方法も併せてご紹介しますので、ぜひチェックしてみてくださいね。

 

1.インプラントの失敗例

インプラントの失敗には様々なものがあります

今回ご紹介するのは、インプラント治療後しばらくしてから発覚するケースです。

治療後すぐは普通に使えるので「成功した」と思いますが、ごくまれに何年かたってから痛みや不調を覚えることもあります。

代表的なものは、以下のような例です。

  • ・上顎に入れたインプラントで蓄膿症になるケース
  • ・インプラントが骨にうまく定着せず内部で倒れてしまうケース
  • ・フラップレス手術で不適切な場所に埋入されているケース
  • ・骨造成がうまくいかず感染症を起こしてしまうケース
  • ・インプラント周囲炎になり骨が溶けてしまうケース

 

ひとつずつ詳しく説明していきましょう。

 

1-1.上顎に入れたインプラントで蓄膿症になるケース

上顎にインプラントを埋める治療をした際に、上顎洞という上顎の上にある大きな空洞にをつけてしまったり、が空いてしまったりするケースです。

上顎洞との境目には薄い膜があり、通常は膜に傷をつけないように細心の注意を払って歯科用のドリルを進めます。

しかし、生物学的な知識を持っていないと不用意に上顎洞に傷をつけてしまい、炎症を起こして上顎洞に膿がたまったり、ひどい場合にはインプラントが空間に落ち込んでしまったりします。

膿が溜まった場合は蓄膿症のような激しい頭痛や痛みなどの症状が起こり、日常生活に支障をきたしかねません。

▶インプラントが原因で蓄膿症に!? インプラント治療と副鼻腔炎との関係

 

1-2.インプラントが骨にうまく定着せず内部で倒れてしまうケース

インプラントが骨に固定するには、初期固定とその後ゆっくりと時間をかけて固定していくという段階があります。

初期固定をしっかりと確認しないとインプラントが骨にうまく定着しないので、あとになってぐらついたり細菌感染が起こったりしてしまうからです。

インプラントの治療法には同日にインプラント体と上部構造を接着する方法(1回法)があり、期間を短縮できますが、この治療ができるかどうかは最初の精密検査でしっかりと診断しなければなりません。

しかし、残念ながら低価格で早くできるということをウリに、安易に行っているところもあるので、注意が必要です。

 

1-3.フラップレス手術で不適切な場所に埋入されているケース

近年ではできるだけ歯茎を切らずにインプラントを埋入できるフラップレス法という方法が登場しています。

当院でも行っていますが、この治療法をするにはCT検査で骨や口腔内を3D撮影し、緻密な計画多くの前準備のもとに行うのが前提で、医師の豊富な知識と経験が必要です。

前準備をしっかりとするからこそ、歯茎を切って骨を直接見なくても手術が行えるのですが、誤った認識から見よう見まねで行うと、以下のようなトラブルが起こってしまいます。

  • ・神経や血管を傷つけてしまう
  • ・骨ではなく歯茎に突き刺さるなど不適切な場所に埋入してしまう

 

血管を傷つけた場合には術中に大量出血が起こるので分かりますが、神経を傷つけた場合や歯茎に突き刺さってしまった場合には、麻痺が起こる・後から痛みが強くなるなどの症状が起こるといったことが考えられます。

▶切らないインプラント「フラップレス」ってどんな手術?

 

1-4.骨造成がうまくいかず感染症を起こしてしまうケース

インプラントを埋入する際に骨が足りない場合は、骨造成といって補填材を使って骨を増やす治療が必要です。

しかし、骨がうまく再生されないと細菌感染などを引き起こしてしまいます

もしも、骨造成が失敗した場合は、インプラントと骨造成に使った補填材、感染部分の除去など様々な処置が必要になります。患者様の身体へも大きな負担がかかることになるため、専門的技術と豊富な実践経験をもつ医師がすべきだと、私は考えています。

▶インプラントで行う「造骨」とは?どうやって骨を増やすの?

 

1-5.インプラント周囲炎になり骨が溶けてしまうケース

インプラント周囲炎とは、インプラントの周辺の歯茎やその下の組織が歯周病になってしまう病気です。

インプラントは天然歯と違って免疫機能がないため、病気にかかりやすいという特徴があります。

毎日のケアは難しいことはなく、他の歯と同じ用に歯みがきや歯間ケアで十分ですが、これを怠るとインプラント周囲炎になってしまいます。

インプラント周囲炎は進行すると組織や骨を溶かしてしまうので、痛みや膿が出たり、ひどい場合には突然インプラントが抜け落ちたりすることもあります。

▶インプラントでかかる歯周病「インプラント周囲炎」とは?

 

2.インプラント治療を受ける際の歯科医院選びのポイント

インプラントで失敗が見つかると、患部への治療インプラントの除去などが必要になって二度手間ですね。

そのようなことが起こらないために、当院では事前の検査をしっかりと綿密に行っていますが、患者様の方でもしっかりと歯科医院選びをして、納得して治療を受けると安心ですよ。

歯科医院選びのポイントは、以下の3つです。

  • ・院内にCTを導入している
  • ・インプラントの専門家がいる
  • ・適切な説明を分かるように十分にしてくれる

 

2-1.院内にCTを導入している

当院はCTを導入しています

治療を受けようとする歯科医院に、CTの機械があるかどうかを事前に確認しましょう。

私は、インプラント治療を行うには、3Dでの立体的な把握ができるCT検査が必要不可欠と考えています。

以前はCTがそれほど普及していなかったため、大きな大学病院などにしか置いてありませんでした。

現在では個人のクリニックでもだいぶ導入していますが、まだ導入していないところもあります。

しかし、CT検査なしにインプラント治療をするのは、医師の勘だけに頼るところが大きく、リスクが高くなるでしょう。

 

2-2.インプラントの専門家がいる

条件を示す女性

インプラントの専門家とは、インプラントを専門的に学んだ医師のことです。

日本口腔インプラント学会専修医や指導医など、インプラント学の学識と専門的技能を有すると認定されている医師がいる歯科医院は安心です。

 

2-3.適切な説明を分かるように十分にしてくれる

分かりやすい言葉を選んで説明してくれる医師なら信頼できます

どんな治療をするのか分かっていると、患者様の不安はかなり少なくなり治療経過にも良い影響を与えます。

担当医はそれを踏まえているので、患者様に分かる言葉を使って平たく説明してくれるはずです。

うっかり専門用語など分からない言葉などを使ってしまう時もありますが、質問すれば丁寧に答えてくれるような担当医は信頼がおけると考えて良いでしょう。

 

3.インプラント周囲炎にならないためにできること

その方のお口の状態に合わせた歯磨き指導をします

最後に、患者さんご自身でできることは、毎日のケアを丁寧に行うことと、定期検診を受けることです。

  • ・毎食後の丁寧な歯みがき
  • ・6ヶ月に1度程度の定期検診

 

定期検診では、セルフケアではしきれない場所も、専用の機械で徹底的にクリーニングします。

毎日のセルフケアと定期検診、ダブルのケアをしていれば、インプラント周囲炎を予防できますよ。

 

歯科医院選びは慎重にし、正しいケアをしてインプラントを末永く使おう!

インプラント治療は、手術だけでなく術後もずっとケアが必要です。

担当医とも長い付き合いになるので、信頼のおける歯科医院選びをするのがおすすめです。

私は、インプラントはしっかりとケアをしていれば、一生使っていけるものと考えています。正しい治療を受けて、ぜひ快適な生活を手に入れてくださいね。

◆この記事のまとめ
1.インプラント治療の数年後に失敗と分かる例がある
2.インプラント治療には外科的な知識が必要
3.知識や経験が浅いと失敗するリスクが高い
4.安さや早さに安易に飛びつくのは危険
5.歯科医院選びのポイントはCT、専門医、的確で分かりやすい説明