総入れ歯や部分入れ歯で、ものがしっかり噛めない、食べたいものが食べられないというお悩みを持っている方は、インプラントを希望する方が多いです。
ただ、インプラントは顎の骨などもかかわってくる治療法ですので、お口の状態によって難しい場合もあります。
ここでは、総入れ歯や部分入れ歯からインプラントに変更する場合の条件やメリット・デメリットなどをご紹介します。
入れ歯からインプラントへの変更を検討している方は、ぜひチェックしてみてくださいね。
目次
総入れ歯からインプラントへ変更するための条件
ほとんどの歯がない方や総入れ歯の方がインプラントにする場合、以下のような条件が必要となります。
- ・顎の骨が十分にある
- ・定期的に入れ歯を調整している
インプラントは骨に直接埋めるため、十分な骨量が必要です。もしも、入れ歯の定期的な調整を受けずに合わない入れ歯を使い続けていた場合、顎の骨が痩せて骨量が減っている可能性があります。
ただ、顎の骨が足りない場合でも、骨を増やす治療で対応できるので、ご安心くださいね。
総入れ歯をインプラントにする場合、2つの方法がありますので、この後それぞれの方法を詳しくご紹介します。
8〜10本の歯をインプラントにする
失った歯1本1本にインプラントを入れていくという、従来のインプラント治療の考え方です。
8〜10本程度インプラントを入れていきます。
インプラントの本数が多いため外科手術の時間がかかり、身体への負担や経済的な負担が大きくなります。
- ▼メリット
- ・自分の歯が数本残っていても抜歯しなくて良い
- ・治療範囲が広い
- ▼デメリット
- ・本数が多いので費用がかかる
- ・手術する範囲が広く身体への負担が大きい
骨量が少ない場合は増骨治療をしてから
骨量が足りない場合は骨再生手術という骨を増やす治療を並行して行っていきます。
骨再生手術をあわせて行うと、さらに治療期間も長くなり、身体への負担も大きくなるため、手術に耐えうるだけの体力が必要となります。
インプラント治療は高度な技術が必要となるため、歯科医院によっては全身疾患や顎の骨を理由にできないというところもあります。歯科医院選びは慎重に行い、複数の歯科医院で相談してみると良いでしょう。
4本のインプラントで入れ歯を支える
もう一つの方法は、最小限の本数のインプラントで入れ歯全体を支えるロケーター・インプラントです。メーカーによって、オーバーデンチャー、All-on-4(オールオンフォー)など呼び方が異なりますが、いずれも同じ考え方です。
ロケーター・インプラントは顎骨の前の方に埋め込むため、手術範囲が狭く、骨再生をしなくてもできる可能性が高いのが魅力です。
- ▼メリット
- ・手術範囲が狭いので身体への負担が少ない
- ・本数が少ないので費用が抑えられる
- ・顎の骨が少ない場合でも増骨しなくて済むことが多い
- ・治療後すぐに人工歯を入れられるので食事がすぐできる
- ▼デメリット
- ・自分の歯が残っている場合はすべて抜歯する必要がある
- ・お口や身体の状態によっては対応できるケースが限られる
部分入れ歯からインプラントに変更する場合
部分入れ歯は両隣の歯にバネをかけて装着するので、どうしても両隣の歯に負担がかかります。
しかし、インプラントは独立した1本1本になるため、他の歯に負担がかかることはありません。
- ▼メリット
- ・噛む力が格段にアップする
- ・他の歯にダメージを与えない
- ▼デメリット
- ・骨場足りない場合は骨を増やす治療をする
- ・両隣の歯が歯周病の場合、先に治療が必要
骨が足りない場合は増骨治療をする
部分入れ歯の場合、バネをかけていた両隣の歯に負担がかかっているので、歯の周辺組織や骨が痩せてしまっている可能性があります。そういった場合には、骨を再生する治療をして骨を増やしてからインプラントを入れることになります。
歯周病だった時は治療してから
部分入れ歯でバネをかけている歯は、なくなった歯の分まで頑張っているため、どうしても歯周病にかかりやすくなっています。歯周病になったままインプラントを入れると、インプラント周辺も歯周病になってしまうので、先に歯周病の治療をすることになります。場合によっては抜歯することもあるでしょう。
入れ歯からインプラントにするメリット・デメリット
入れ歯にもインプラントにもそれぞれメリットとデメリットがあります。
ご自分の身体への負担や費用などを考えながら検討するのがおすすめです。
入れ歯からインプラントにするメリット
- ・自分の歯と変わらない力で噛むことができる
- ・食べ物の味がよくわかる
- ・急に外れたり合わないといったことがない
- ・他の歯にダメージを与えない
- ・発音の邪魔をしない
- ・口元がすっきりする
- ・見た目が美しい
インプラントにした多くの方から、まるで自分の歯が蘇ったかのように美味しく食べられると喜びの声を寄せられています。見た目が若々しくなるのも大きなメリットですね。
入れ歯からインプラントにするデメリット
- ・保険がきかないので治療費が高くなりやすい
- ・外科手術が必要
- ・毎日の丁寧な歯みがきは必須
- ・半年に1度ほどの定期検診に通う必要がある
インプラントは外科手術を伴い、治療後は基本的に日頃のお手入れが大切です。口内の清潔を保てない方や重度の全身疾患がある方には向きません。
入れ歯をインプラントに変更するには専門医に相談しよう
入れ歯からインプラントにしたいと思った時、ほとんどの方はまずかかりつけ医に相談することでしょう。
ただ、インプラント治療は高度な技術が必要となるので、歯科医院によってできること・できないことに幅があります。
もしもインプラントを断られてしまった場合でも、スキルの高いインプラントの専門医がいる歯科医院であればできる可能性がありますので、そういった歯科医院を探してみるのがおすすめです。
- ◆この記事のまとめ
- 1.インプラントを入れるには、顎骨が十分にあることが条件
- 2.骨が足りない場合は骨再生治療で骨を増やせる
- 3.総入れ歯からインプラントにする場合は2つの方法がある
- 4.部分入れ歯からインプラントにする場合は両隣の歯のチェックが必要
- 5.入れ歯からインプラントにするメリットは機能や審美性が向上すること
- 6.入れ歯からインプラントにするデメリットは保険がきかない・外科手術が必要など
- 7.インプラント治療はインプラント専門医に受けるのがおすすめ