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インプラントの基礎知識!歴史や疑問をQ&Aで詳しくご紹介

インプラントの基礎知識やQ&Aは以前にもご紹介していますが、それでも色々なご質問をたくさんいただき、まだまだご紹介し足りません。

そこで、ここでは以前お伝えしきれなかったことについて、お伝えしたいと思います。

以前のQ&A記事はこちらです。
▶教えて!インプラントQ&Aよくあるご質問|田口歯科医院
▶インプラントの相場・期間・材料などなんでも分かるQ&A|田口歯科医院

今回は、インプラントを入れていると金属探知機に反応するのか、そもそもインプラントはどこでいつ発祥したのかなどをご紹介します。気軽な読み物として、またインプラントへの理解を深めるためにもぜひ読んでみてくださいね。

 

1.インプラントの歴史を教えて!

オッセオインテグレーション公式サイトより引用

インプラントの歴史を紐解くと、古くはなんと紀元2〜3世紀の古代ローマ時代にまで遡ります。近代まで様々な材質を使って治療が試みられてきましたが、どれも長持ちせずに普及するには至りませんでした。

現代のインプラントが誕生するきっかけとなったのは、1952年です。スウェーデンのルンド大学で、ウサギの脛にチタン製の生体顕微鏡をとりつけて研究を行っていたペル・イングヴァール・ブローネマルク教授が、顕微鏡を外そうとした時に外せなくなったため、チタンが骨と融合しやすい(オッセオインテグレーション)ということを発見したのです。ちなみに、当時のブローネマルク教授の専門分野は整形外科でした。

つまり、現在メインとして使われているチタンと骨との融合は、元々インプラントのために開発されたものでなく、偶然の発見によるものだったのです。ブローネマルク博士はその後、イェーテボリ大学に移って研究を続け、1965年世界初のデンタルインプラントシステムの臨床を始めました。これが、現在のインプラントの始まりです。

 

ちなみに、最初に治療を受けた34歳の男性は、生まれつき歯の本数が足りない病気でした。しかし、上下の顎にデンタルインプラントを入れてから亡くなるまでの41年間、インプラントは問題なく機能したと報告されています。(参考:オッセオインテグレーションセンター公式サイトより)

 

2.インプラントを入れていると飛行機に乗れないって本当?

インプラントを入れている患者さんの中には、以下のような心配される方もいらっしゃいます。

  • ・インプラントの金属が金属探知機に引っかかってしまうのではないか
  • ・気圧の変化によって痛むのではないか

しかし、ご安心ください。インプラントが金属探知機に反応したり、気圧の変化で痛みが生じたりすることはありません。

 

インプラントと気圧の変化

ただし、インプラント治療の直後〜6ヶ月程度は、気圧の変化には気をつけてください。

インプラントと骨がしっかりと結合していない時、あるいは骨再生の手術をした後に気圧の変化が起きると、炎症や出血が起こる場合があります。

また、上顎にインプラントを埋入した方は、以下のことにも注意してください。

  • ・鼻を強くかむ
  • ・耳抜きをする
  • ・長時間のフライト
  • ・登山やダイビング

上顎のすぐ上には上顎洞が広がっていて、少しの気圧の変化でも痛みを感じることがあります。鼻を強くかむ、高速エレベーターなどで耳が痛くなった時によくやるいわゆる”耳抜き”、急な気圧の変化を伴うスポーツなどは、インプラントが安定する3〜6ヶ月後までは避けましょう

出張などでどうしても飛行機移動などの必要がある場合は、担当医に相談してください。

 

インプラントの金属

インプラントの金属は、先述したとおり、飛行機に搭乗する際の金属探知機には反応しません

また、MRIは磁石を使う機器だから受けられないのでは?という疑問を持たれる方もいらっしゃいますが、最近のMRIは性能がよく、インプラントの金属がくっついてしまうことはありません

ただし、接着パーツが磁石でできているインプラント要注意です。通常のインプラントは金属部分が体内に埋まっているため反応しませんが、オーバーデンチャーオールオン4といった入れ歯と組み合わせたインプラントは、接着面が上に出ています。

MRIを受ける前日までに、担当医に磁石を取ってもらいましょう。

 

3.日本のインプラントは外国に比べて進んでる?

元々、日本のインプラントは海外から技術や理論が入ってきたもので、残念ながらスウェーデンやアメリカに比べると10倍ほど遅れているのが現状です。

しかし、日本でも近年ではドリルを使わずにインプラントを埋入できるOAMインプラントシステム※1などが開発されている他、日本の繊細な技術力を生かした国内産の優秀なインプラントブランド※2が登場しています。


※1
OAMインプラントシステムとは、名古屋市立大学医学部の大口弘先生が開発した技法です。通常、インプラントは歯茎を切開し、歯科専用ドリルで骨を削って穴を開けます。しかし、OAMでは鍼灸で使うような極細の針で骨にわずかに穴を開けるだけ。

その穴を少しずつ広げてインプラントを埋入するのです。通常のインプラント治療よりも痛みや腫れが少なく、出血もほとんどありません。治りも早く、治療期間の短縮もできます。OAMインプラントシステムは導入しているところとしていないところがあるので注意しましょう。

※2
当院では、純国産のインプラントシステム「GCインプラント」を使用しています。GCブランドのインプラントは、国内で一貫生産しているため安心です。また、その精度の高さから、日本国内でトップシェアを誇っています。

▶当院のインプラント

 

4造骨手術や骨移植は、大学病院や総合病院などを紹介されるのですか?

骨移植はやっぱり大病院でやるの?

いいえ、基本的には当院でも可能です。

骨を増やしたり移植したりするといっても、口の中でとても小さな部位なので、感染対策や設備がしっかりとしていれば、開業医院でも行えます。

当院では、ソケットリフト、サイナスリフト、GBR、ソケットプリザベーション、CTGなど患者様一人ひとりに対して的確なご提案をしています。

詳しくは、当院の「あごの骨を理由に断られた方」の項をご覧ください。

▶あごの骨を理由に断られた方

 

5.どんな感染対策をしていますか?

世の中がコロナ禍になって早1年を過ぎました。※1
現在歯科医院でのクラスターは出ておらず、歯科医院の感染対策の高さに注目が集まっています。

当院でも感染対策は今まで以上に注意しており、以下のようなことを実践しています。

  • ・注射針、手袋、紙コップ、エプロンなど治療で使用するものは、可能な限り使い捨て製品にする
  • ・医療機器の滅菌も使い捨て手袋を着用して行う
  • ・滅菌には高圧蒸気滅菌器やオートクレーブ※2を使用する
  • ・滅菌できない器具はガス滅菌機※3を使用する

インプラント治療は出血を伴う治療です。感染予防や滅菌には細心の注意を払い、患者様に安心して治療に専念していただけるように徹底した配慮をしています。

※1 この記事は、2021年1月に書かれたものです。

※2 内部を蒸気によって高温高圧力にすることで滅菌する機械

※2 酸化エチレンガスによって低音滅菌できる医療用の滅菌機材。対象となる滅菌物の適応範囲が広い。

 

インプラントのQ&Aのまとめ

お伝えしたいことがたくさんあり、今回も5項目のご紹介となってしまいました。また質問などが溜まってきたら、折りを見てご紹介しますね。

インプラントは比較的新しい技術ですが、今後ますます発展していく分野です。インプラント専門医は常に勉強し、患者様により良い技術をご提供できるよう精進してまいります。

 

◆この記事のまとめ
1.現在のインプラントの始まりは1965年
2.インプラントは金属探知機には反応しない
3.インプラントと骨がしっかり結合するまでは気圧の変化に注意
4.日本のインプラント技術の発展はめざましい
5.骨再生や骨移植はインプラント治療をする開業医院で可能
6.歯科医院の感染対策レベルは高い