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インプラント治療で重要な咬み合わせとの関係とは?

インプラントは歯が歯周病や事故などでなくなってしまった場合に、歯の代わりとして埋める人工歯です。

骨に直接埋め込むため、自分の歯のように力強く噛むことができ、見た目にも美しく人工物とは分かりません。

しかし、インプラントは、なくなった歯の部分にただ入れればいいというものではありません。ここでは、インプラントを埋入するのに重要な「咬み合わせ」について、ご紹介します。

 

咬み合わせはなぜ重要なの?

咬み合わせは健康を維持するためにとても重要です

健康な歯を治療する場合にも、咬み合わせはとても重要視されます。なぜなら、咬み合わせは全身の健康を維持するのに大切なものだからです。

近年、咬み合わせは健康寿命に大きく関与していることが明らかになりました。

  • 咬み合わせが悪いと高くなるリスク
  • ・認知症
  • ・肥満
  • ・誤嚥
  • ・虫歯や歯周病
  • ・足腰の筋力の衰え
  • ・消化機能の低下
  • ・発音機能の低下

 

平成11年に行われた全国5000人規模の高齢者を対象にした調査では、咀嚼能力に優れた高齢者は健康寿命が長いことが分かっています。咬み合わせは咀嚼力にも大きく関係があり、咬み合わせが悪いと十分に咀嚼できないため、筋力の衰え栄養を十分に摂取できないといった健康維持に関わりのある問題が出てきてしまうのです。

 

咬み合わせが悪くなるとこんな症状が出る!

咬み合わせは、全身のバランスにも関係しています。咬み合わせが全身のバランスを保っているといったら意外に思うかもしれません。しかし、顎は脳と首から下をつなぐ蝶番のような部分で、脳に筋肉を使うための司令を伝える働きもあります。

食べ物を噛む時、顎はとても複雑な動きをしています。咬み合わせが悪く片方の歯だけで噛むことになると、全身のバランスをとるために首や背骨に無理な力がかかり、全身の骨の歪みとなってしまうのです。

咬み合わせが悪いと、以下のような症状に悩まされることになります。

 

慢性的な頭痛や肩こり

しつこい偏頭痛は咬み合わせが原因かも?

首や背骨が歪むと、慢性的な頭痛、肩こり、首のこり、腰痛などといったいわゆる不定愁訴の症状が起こります。

咬み合わせが原因で起こる不定愁訴は、咬み合わせを治すことでしか改善できません。整体や脳外科などを受診しても良くならない場合は、咬み合わせが原因かもしれません。

 

めまいや耳鳴り

耳鳴りは加齢のせいだけではない?

めまいや耳鳴りといった三半規管関連の不定愁訴も、首や肩の骨・筋肉の歪みから生じます。

これらは耳鼻科で検査しても、原因がわからないと医師が首をひねります。しかし、歯医者で調べると、咬み合わせが合っていない・歯を失ったままにしているといったことが判明することがあります。

 

顎関節症

顎関節症とは、顎の骨がズレて起こる症状です。ものを食べた時に「カクカク」「ゴリゴリ」と顎から音がする、顎が痛くて口が開けられないといった症状があります。顎関節症は、咬み合わせの他ストレスも原因となります。

 

歯や舌の痛み

歯の痛みは咬み合わせが原因?

咬み合わせの悪さは、以下のような口周りの症状として起こることもあります。

  • ・歯の痛み
  • ・舌の痛み
  • ・味覚異常
  • ・口が渇く
  • ・飲み込みにくい

 

歯や舌の痛みに関しては、咬み合わせが悪く神経が圧迫されると、痛みとして出てくる場合があるからです。

 

咬み合わせが悪くなる原因

咬み合わせは様々な弊害を引き起こしますが、咬み合わせが悪くなる原因先天的なもの後天的なものがあります。

 

生まれつきの骨格

先天的な原因としては、生まれつきの骨格が関係していると考えられます。

生まれつき顎がしゃくれている、出っ歯等で上下の歯の咬み合わせが悪い場合は、保険適用で矯正治療することが可能です。

 

後天的なクセ

頬杖は咬み合わせを悪くします

咬み合わせが悪くなるクセとは、以下のようなものです。

  • ・頬杖
  • ・指しゃぶり
  • ・口呼吸

 

頬杖をつくクセがあると、顎を下から押して上下のバランスを崩す可能性があります。歯にも過剰な力がかかるので、歯にもダメージを与えるでしょう。

指しゃぶりをしていると、上の前歯が押されて出っ歯になってしまう可能性が高いです。指しゃぶりは3歳程度までなら正常ですが、3歳を過ぎてもクセが治らない場合は、やめさせるようにしましょう。

口呼吸脳に必要な酸素が行き渡らない他、歯並びが悪くなる・顎の発達を遅らせるなどの弊害があります。口呼吸になる原因は、鼻詰まりや唇の形状などに問題があることが多いので、小児歯科や専門機関でしっかりと診てもらいましょう。

 

咬み合わせが悪いままインプラントを入れた時のリスク

もしも咬み合わせが悪いままインプラントを入れてしまうと、以下のような弊害が起こります。

  • ・インプラント部分が痛い
  • ・インプラントが早くダメになる

 

どういうことなのか、詳しく説明していきますね。

 

インプラント部分が痛い

咬み合わせが悪いままインプラントを入れると、インプラント部分と対になる歯過剰にあたってしまい、痛みが生じることがあります。

インプラントの噛む力は強いので、全体の咬み合わせが合っていないと対になる歯に強すぎる力が加わってしまうのです。

 

インプラントが早くダメになる

咬み合わせが悪いと、インプラント側に過剰に力が加わる場合もあります。そういった場合には、インプラントを埋めている骨が吸収されてなくなり、インプラントがグラついたり脱落してしまう可能性もあるのです。

 

咬み合わせを重視したインプラント治療とは?

インプラントを埋入する際には、10年20年先まで見据えて治療することが重要です。

インプラントを入れた後の咬み合わせがよくなるように、全部の上下の歯が同時に接触するようにしなければなりません。

見た目の歯並びの美しさだけでなく、機能も考慮して治療する必要があるのです。

 

インプラントを入れる場所の骨が足りない時

歯がなくなってそのままにしておくと、骨が吸収されてなくなってしまうことがあります。

しかし、そのままインプラントを入れると咬み合わせが合わなくなり、結果的にインプラントを長く持たせることができません

骨が足りない場合は、骨再生治療を行います。骨再生治療とは、骨を移植したり補填物を入れて骨を増やしたりする治療のことです。

▶インプラントで行う「造骨」とは?どうやって骨を増やすの?

 

インプラント治療をする時は咬み合わせも考えることが大切

咬み合わせは、全身の健康を維持する上でとても重要です。もし、インプラントの治療を受ける時、咬み合わせについて検査せずにインプラントを埋入する場所だけを考えて行おうとしていたら、注意する必要があります。

インプラント治療には、顎骨や全身の骨に関する解剖学的な知識が必要です。

インプラント治療を受けるなら、咬み合わせや全体の骨も考えている医師やクリニックを選ぶと良いでしょう。

◆この記事のまとめ
1. 咬み合わせは肥満や認知症など様々なリスクと関係がある
2. 咬み合わせが悪いと不定愁訴や顎関節症になる恐れがある
3. 咬み合わせが悪くなるのは先天的な骨格や後天的なクセが原因
4. 咬み合わせが悪いままインプラントを入れるとインプラントがダメになる
5. 10年20年先を見据えたインプラント治療が必要