トピックスTOPICS

妊娠中ってインプラント治療しても大丈夫?リスクや中断について

「妊娠中は時間があるから、思い切ってインプラント治療をしようかな」と考える方も多いようです。

しかし、インプラント治療は通常の歯科治療と異なり、心身に大きく負担がかかります。

ここでは、妊娠中のインプラント治療のリスクや、途中で中断する場合、歯が欠けた状態の代替案などをご紹介します。

 

妊娠中にインプラント治療を受けることのリスク

妊娠中は、身体に色々な変化が出てきます。単にお腹が大きくなるだけでなく、つわり神経が過敏になるなど、心身ともに通常とは異なる状態です。 そんな中で、インプラント治療を受けるのはおすすめできません

妊娠中の一般的な歯科治療妊娠中期(16〜28週)なら受けることが可能ですが、インプラントの手術は外科手術が伴うため、できるなら避けるのが良いでしょう。

もしも、妊娠中にインプラント治療を受けた場合は以下のリスクが考えられます。

  • 1.仰向けで治療を受けると内臓が圧迫される
  • 2.レントゲン撮影の安全性はゼロではない
  • 3.薬による影響の可能性がある
  • 4.感染の恐れがある
  • 5.早産を誘発する恐れがある
  • 6.長期の治療期間への負担
  • 7.思ったより母体にストレスがかかる

 

1.仰向けで治療を受けると内臓が圧迫される

歯科治療は基本的に仰向けになっていますね。仰向けになると様々な内臓が圧迫されますが、特にお腹には腹部大動脈という大きな血管が通っています。

腹部大動脈が圧迫されると母体にも赤ちゃんにとっても危険ですし、気分も悪くなってしまいます。

 

2.レントゲン撮影の安全性はゼロではない

歯科のレントゲンは、お腹とは離れた場所にあるし、放射線を遮断するためのエプロンも着用します。

ですので、比較的安全ではありますが、やはり100%安全であるとはいい切れません

お腹の中の赤ちゃんや妊婦さんに影響を及ぼす可能性はとても低いですが、リスクはゼロではないのです。

 

3.薬による影響の可能性がある

インプラント治療を行う際は局所麻酔を使います。治療後は痛み止めや化膿止めも必要です。

薬剤は安全なものを使いますが、やはり100%安全であるとはいえないのが現状です。普段なら起こさないアレルギー反応が出ることも考えられますし、薬剤によっては母乳汚染のリスクもいわれています。

どうしても緊急な場合は、かかりつけの産科と密に連絡を取って対応することもあるかもしれませんが、できれば妊娠中はインプラント治療をしない方向で考えるのが良いでしょう。

 

4.感染の恐れがある

インプラント治療は小規模とはいえ外科手術を行います。外科手術を行う場合、感染には十分に気をつけなければなりません。

感染対策には細心の注意をしていますが、もしも血液感染などを起こした場合、合併症などの危険があり母体や胎児への影響を及ぼす可能性も考えられます。

 

5.早産を誘発する恐れがある

血液中にはサイトカインという免疫系の伝達ホルモンがありますが、妊娠初期にはサイトカインが多く分泌されます。

インプラント手術で出血すると、サイトカインが血中に大量に分泌され、子宮の収縮を促して早産する恐れがあるとされています。

 

6. 長期の治療期間への負担

インプラント治療には、約半年から1年ほどの治療期間がかかります。インプラントを埋めるための1回目の手術の後、しっかりと骨と固定するまでの3ヶ月程度、2回目の人工歯を被せるための手術、その後も消毒や経過を見るための通院などがあるからです。骨が少ない場合は骨再生治療も必要となります。

  • ・骨が十分にある場合 → 4〜5ヶ月程度
  • ・骨が不足している場合→ 7〜13ヶ月程度

 

妊娠中は産科への検診もありますし、買い物だけでも一苦労。産後は赤ちゃんのお世話家事などで自由な時間がなくなります。

仮に出産前に治療を始めたとしても、出産までに治療が終わらない場合が考えられます。インプラント治療を希望する場合は、妊娠・出産時期は避けるのが懸命でしょう。

 

7.思ったより母体にストレスがかかる

妊娠時は、ご自身が思っているより心身ともに繊細になっています。思いも寄らない些細なこと精神的なストレスになったり、身体に大きな負担を与えてしまったりするのです。

特に初期のつわりの頃には、精神的に不安定になる・食欲がなくなるなどで、いつもより身体へのケアが重要になります。

そのような時期に、身体に負担のかかるインプラント治療をするのはおすすめできません。

 

インプラント治療中に妊娠した場合は?

インプラント治療中に妊娠した場合は直ちに医師に相談を!

インプラントの治療中に、妊娠が分かったというケースもあります。そうした場合には、ただちに担当医に相談してください。

インプラント治療にも段階があり、1回目のインプラント治療の後なら、出産後まで治療を中断できます。

中断している場合も生活上の注意などがありますので、自分で判断せずに指示を仰ぎましょう。

 

歯が欠けたままで過ごしたくない場合の対処法

歯がない状態の時に妊娠が分かった場合、そのままの状態で出産後まで過ごすのはイヤですよね。

歯がない状態のまま過ごすのは、歯列のバランスが乱れて咬み合わせが悪くなるということもあるのでよくありません。そこで、以下のような応急処置をすることがあります。

 

インプラント治療ができない時の代替案

部分入れ歯で応急処置

歯がない状態で妊娠が発覚した場合は、応急処置としてインプラントの代わりに部分入れ歯を入れます。

入れ歯なら比較的短期間で作ることができ、見た目を気に病むこともありません。

しかし、入れ歯のままではバネをつけている歯を弱めてしまいますし、食べられるものも限られます。出産後に落ち着いたら、改めてインプラント治療を再開しましょう。

 

妊娠中のインプラント治療のまとめ

母体と赤ちゃんの安全を第一に考えたマタニティライフを

妊娠・出産はホルモンバランスの急激な変化により、通常より心身にストレスがかかりやすくなっています。

よほどの緊急時を除き、妊娠中のインプラント治療はおすすめできません。事故などで歯がない状態等の場合は、一時的に入れ歯を入れてカモフラージュするという手もあります。

出産後、ある程度落ち着いたらじっくりと治療に専念しましょう。

◆この記事のまとめ
1. 妊娠中のインプラント治療はおすすめしない
2. 仰向けで治療を受けると腹部大動脈が圧迫される
3. 痛み止めや麻酔薬による影響の可能性がある
4. 手術による感染の恐れがある
5. ホルモンの変化により早産を誘発する恐れがある
6. 長期の治療期間で身体への負担が大きい
7. 治療中に妊娠が分かったら、すぐに担当医に相談する