トピックスTOPICS

インプラントが骨と結合するってどういうこと?インプラントと骨の関係

インプラント治療では、インプラントを埋入した後骨との固定を待つ期間があります。しかし、固定や結合と言っても具体的にどのようなことなのか、はっきりとイメージできる方は少ないかもしれません。

インプラントは良いという話は聞くけれど、実際どのような仕組みなのか分からないという方もいるでしょう。

ここでは、インプラントと骨への結合について、詳しく分かりやすく説明していきます。

 

インテグレーション|インプラントが骨に固定するとは?

インプラントが骨に結合することを「インテグレーション」と呼びます。インテグレーションがしっかりと得られると、インプラントが骨に固定されます。

インプラントの素材はチタンで、チタンは生体親和性に優れた金属です。通常は金属と生身の身体とでは本来あまり馴染まないのですが、チタンに限っては人体と細胞レベルでくっついて同化してしまう性質を持っているのです。

チタンは人体において異物とみなされないので、アレルギー反応も起こりにくく、金属アレルギーを持つ方にも比較的安全な素材です。

 

骨のしくみ

次に、骨のしくみについて簡単に説明していきましょう。

 

リモデリング|骨は5年ごとに入れ替わっている

骨は人間の体の中で歯の次に硬く、成人してからは一見動きが無いように思うでしょう。しかし、実際には骨の細胞は常に破壊(骨吸収)と再生(骨形成)を繰り返して入れ替わっており、これをリモデリングと呼びます。人間の骨はリモデリングによって、5年後には新しい骨に生まれ変わっているのです。

ただし、インプラント治療での固定期間は3〜6ヶ月程度ですのでご安心ください。

 

骨の構造

骨の構造は、外側から外骨膜、皮質骨、海面骨、骨髄となっています。筋肉との境目にある外骨膜骨を形成する複数の細胞が存在しています。内側の皮質骨はとても硬く、内部には血管や神経が通っています(フォルクマン管)。

骨髄の中には海綿状の海綿骨があり、複雑に孔が開いた梁状の3次元構造衝撃から骨を守る働きがあります。

ちなみに、骨粗鬆症はこの海綿骨の構造が粗くなった状態です。

 

インテグレーションの成功に必要なこと

インプラントが骨と結合するインテグレーションが成功するためには、2つの重要な条件があります。

  • ・正常なリモデリング
  • ・しっかりとした感染対策

 

正常なリモデリング

骨は吸収と形成を繰り返していますが、このリモデリングを利用することで、インプラントが骨組織に徐々に埋まって結合されていきます。

もしも正常にリモデリングがなされないと、インプラントは十分に骨に固定することができず、グラついたり脱落したりして、再治療などをしなければなりません。

例えば骨粗鬆症がある場合や骨質があまりよくないのにインプラントを入れてしまうと、トラブルの原因になります。インプラント治療をする歯科医師は、骨の状態をよく見極めて対応する必要があるのです。

 

しっかりとした感染対策

インテグレーションを阻害する大きな原因の一つに、固定しないという問題があります。固定しない理由の一つは、インプラント自体の性能です。粗悪なインプラントは、インプラントを製造する際に工場で混入物が入ってしまうことがあります。

また、治療時に感染対策をしっかりと施していないと、治療中に細菌感染して合併症などを引き起こすリスクがあります。

骨との結合を成功させるには、一定水準以上の高品質なインプラントシステムを使うこと、治療する現場の感染対策の徹底が求められるのです。

 

失敗しないインプラント治療の歯科医院の選び方

インプラント治療で失敗しないためには、最初の歯科医院選びがもっとも重要です。選ぶポイントとしては、以下のようなものがあります。

  • 1.歯だけでなく骨や口腔の生体学的な知識がある医師がいること
  • 2.インプラント治療の知識や経験が豊富な医師がいること
  • 3.院内の感染対策がしっかりとされていること
  • 4.治療後のメンテナンスの重要性が分かっていること

 

ひとつずつ説明していきましょう。

 

1.生体学的な知識がある医師がいる

歯だけ、口だけを見るのではなく、体全体から見た口内についても考慮しつつ、将来を見越して治療できるということも、重要なことです。

歯は顎骨から生えていて、顎骨は頭の骨と首から下の骨とのつなぎ目です。咬み合わせや口内のバランスが合っていないと、肩こりや頭痛、腰痛、めまいなど、全身の様々な症状となってあらわれてしまいます。

ただインプラントを埋入するのではなく、埋入した後の咬み合わせや顔や体のバランスについて説明してくれるような先生を選ぶとベターです。

 

2.インプラント治療の知識や経験が豊富な医師がいる

先述したように、骨の構造や骨のしくみがしっかりと分かっていないと、インプラント治療をするのは難しいです。

歯科医師免許を持っている人なら誰でも同じような知識を持っているのでは?と思うかもしれませんが、一般の歯科治療をする医師とインプラント治療をする医師では少し異なります

インプラント治療をするほとんどの医師は、専門の研修を受けて実際に手を動かして訓練しています(まれにそうでない医師もいます)。虫歯や歯周病だけを取り扱っている歯科医院では、インプラントの設備が整っていないので気をつけましょう。

 

3.院内の感染対策がしっかりとされている

新型コロナウィルスの件で、一般的に感染についての知識が浸透してきましたが、インプラント治療は出血を伴う手術をするため、さらに徹底する必要があります。

インプラント治療を行う場所が、他の一般的な診療と隔離されているか、使う器具や道具一式は滅菌・殺菌処理がされているかなどがポイントです。

 

▶コロナ禍でのインプラントの通院は自粛すべき?歯科医院の感染予防

 

4.治療後のメンテナンスの重要性を理解している

インプラントは入れたらそれでおしまいではありません。インプラントはインプラント周囲炎という歯周病にかかりやすいので、常に口内を清潔に保ち、プロによる定期的な徹底したクリーニングが必要です。

治療後のメンテンナンスについての理解が不足している歯科医師のもとで治療を受けると、後々インプラントがグラつく、抜け落ちるなどのトラブルが発生することが多いです。

治療を始める前に、インプラント治療の説明があると思いますので、その際に治療後のメンテナンスに触れない場合は注意しましょう。

 

▶インプラントでメンテナンスをしないと損をする2つの理由

 

インプラントはインテグレーション(骨との結合)が重要!

骨は常に生まれ変わっていて、インプラントはその仕組を利用して骨に結合させます。インプラントを一度埋入すると、しっかりと固定して抜け落ちないのはそのためです。

ここまで読まれてインプラント治療の安全性がお分かりいただけたかと思います。しかし、一方でどの医療機関でも同じような治療が受けられるかというと、残念ながらそうとはいい切れません。

安全に治療を受けるには、歯科医院選びが重要です。近所だからという決め方ではなく、ホームページなどをしっかりチェックして歯科医院を選びましょう。

◆この記事のまとめ
1. 骨は吸収と形成を繰り返して代謝している
2. インプラントは骨の代謝を利用して結合させる
3. インプラントの成功には正常なリモデリングと感染対策が必要
4. 骨や口腔の生体学的な知識がある医師がいる歯科医院を選ぶ
5. インプラント治療の知識や経験が豊富な医師がいる歯科医院を選ぶ
6. 院内の感染対策がしっかりとされている歯科医院を選ぶ
7. 治療後のメンテナンスの重要性を理解している歯科医院を選ぶ