「インプラントには日々の歯磨きが重要です」「これまで以上にしっかりと歯を磨きましょう」
インプラント治療を終えると、歯科医院ではこのように指導されますね。しかし、最初は頑張って指導どおりにやっていても、長年の間にはいつの間にか天然歯と同じように磨いていることがほとんどです。なかには磨きすぎて歯茎を傷めてしまう方もいます。
そこで、ここではインプラントと天然歯が混在している方のために、歯磨き方法とインプラントに適したおすすめの歯ブラシをご紹介します。
目次
インプラントはインプラント周囲炎になりやすい
インプラントは歯があったときのように、再び力強く噛むことが可能になる優れた治療法です。しかし、反面、天然歯よりもインプラント周囲炎という病気にかかりやすいという特徴を持っています。インプラント周囲炎とは、インプラント周辺が歯周病になってしまう状態です。
そのため天然歯よりも念入りなケアが必要です。毎食後や夜寝る前のブラッシングと、定期メンテナンスに余念がない方も多いかもしれません。
インプラント周囲炎になりやすい理由
インプラントがインプラント周囲炎になりやすい理由としては、以下のようなことが挙げられます。
- 1.歯根膜が存在せず免疫力がない
- 2.デリケートで痛みを生じやすい
- 3.インプラントだけ特別なケアをしない
歯根膜が存在せず免疫力がない
インプラントには、歯根膜が存在しません。天然歯の場合、歯の根の周りを囲むように、歯根膜というものがあります。歯根膜には血管が通っていて栄養などを運び、常に代謝が行われています。
血流があるということは、体内で作られる免疫物質なども運ばれてくるということです。しかし、インプラントにはこの歯根膜がないため、自然の免疫力がなく、病気に対してとても弱いのです。
口内に虫歯や歯周病があれば感染しやすいし、細菌も増殖しやすくなります。
デリケートで痛みを生じやすい
歯茎には、色が淡い角化歯肉と、その下の色が濃い歯槽粘膜があります。
- ・角化歯肉:動かない歯茎・・・血管が少ない
- ・歯槽粘膜:動く歯茎・・・血管が多い
歯磨きしている時に歯茎にブラシが当たっても痛くないのは、角化歯肉に血管が少ないからです。
しかし、インプラント周辺にある角化歯肉は天然歯よりも面積が小さいので、ケアしなければと思って一生懸命磨くと、傷つけて痛みを生じてしまうのです。
インプラントだけの特別なケアをしない
インプラントの上部構造は天然の歯よりも凹凸が多く、歯ブラシの先端が届きにくい場合があります。そのため、本来であれば天然歯用とインプラント用の2本を使い分けて磨くのがベターです。
しかし、ほとんどの方が1本の歯ブラシでケアをしていると思います。中にはタフトブラシを薦められて使用している方もいると思いますが、あまり浸透していないというのが現状です。
インプラントのケアに必要な条件
次に、インプラントのケアに必要な条件を見てみましょう。これは、歯ブラシを選ぶ際にとても重要なことです。
- 1.上部構造や歯茎との境目が磨ける形状
- 2.毛質の柔らかさ
- 3.天然歯も一緒に磨ける混在毛
上部構造や歯茎との境目が磨ける形状
インプラントの上部構造は天然歯よりも凹凸に富んでいるので、歯ブラシを当てた時に毛先が上部構造の奥まで届く形状が良いでしょう。
インプラント周囲炎は上部構造と歯茎の境目から侵入してくるので、上部構造と歯茎の境目も磨けることも条件です。
毛質の柔らかさ
先述したように、インプラント周辺の粘膜はとてもデリケートです。よく磨いてもダメージを与えない柔らかい毛先である必要があります。
天然歯も一緒に磨ける混在毛
毎回2本の歯ブラシを持ち替えて歯磨きをするのは面倒ですね。できれば1本で天然歯もインプラントもケアできるような歯ブラシがあると理想的です。
おすすめのインプラント用歯ブラシ「ルシェロI-20」
「ルシェロ」シリーズは、歯医者さんがよくおすすめする歯ブラシです。その中でも、「ルシェロI-20」はインプラントに特化した画期的な歯ブラシです。
インプラントを維持するためのメンテナンス・ケア専用として、開発されました。
ルシェロI-20の特徴
- 先端は磨きやすいタフト状
- 凸凹にも入りやすいラウンド段差植毛
- 粘膜を傷つけない極細毛
先端のタフト状の植毛は、歯間部や凸凹した部分を磨くのに最適です。
4列植毛の最外部には、ぐるりと囲むように段差をつけて植毛されています。これにより、インプラント特有の凸凹にも天然歯にも対応できます。
インプラント周辺の粘膜は傷つきやすいので、極細毛を採用することでしっかりとケアできるように配慮されています。
今までの歯磨き法ではダメだった?!
ここからは、インプラントの歯磨き方法にも触れていきますね。
従来の歯磨き法ではカバーできなかった新しい磨き方や概念をご紹介します。
インプラントにタフトブラシを使う可否
リスクが高いインプラント周辺は、重点的に歯磨きをしたいところです。そのため歯科ではよくタフトブラシなどをおすすめします。
しかし、タフトブラシは毛先が硬く、しっかりと磨ける分、やはり粘膜を傷つけてしまいがちです。
タフトブラシは本来天然歯のために開発されたものなので、インプラント周辺の粘膜には強すぎてしまうことがあるのです。
使うかどうかと問われれば使ったほうが良いですが、使う部分に気をつけなければなりません。インプラントの上部構造だけなら磨いても大丈夫ですが、周辺粘膜はあまり使用しないほうが良いでしょう。
斜め45度のバス法は歯茎を痛める?
歯と歯茎の境目は、歯ブラシを斜め45度に当てるバス法が一般的です。
しかし、インプラント部分に関しては、バス法だと薄い歯肉を痛めてしまうことが多いです。
そこでおすすめなのが、135度に当てる方法です。135度といってもちょっとピンとこないかもしれませんね。
バス法は歯の上方から斜めに当てるのに対し、135度は歯の下方からブラシの毛先を当てる方法です。
慣れるまではやりにくいかもしれませんが、これだと歯茎を傷めにくいということが分かっています。
インプラントのための歯磨きを習得しよう
ほとんどの方のお口の中には、インプラントと天然歯が混在しています。どちらの歯も長く維持するためには、ルシェロI-20のようなインプラント用の歯ブラシがおすすめです。インプラントも天然歯も磨けるので1本の歯ブラシで歯磨きが完了し、面倒がありません。
インプラントを維持することは、残りの天然歯も守ることに繋がります。
今日から早速、インプラントのための歯磨き方法を習得して、セルフケアを充実させましょう。
- ◆この記事のまとめ
- 1. インプラントは歯根膜がないのでインプラント周囲炎になりやすい
- 2. インプラント周辺の粘膜は弱くダメージを受けやすい
- 3. インプラントのケアに必要なのは以下の3つ
- ・上部構造や歯茎との境目が磨ける形状
- ・毛質の柔らかさ
- ・天然歯も一緒に磨ける混在毛
- 4.これを叶えるのがインプラント用歯ブラシ「ルシェロI-20」
- 5.タフトブラシで歯茎との隙間を磨くのはNG
- 6. 斜め45度ではなく斜め135度がおすすめ