トピックスTOPICS

永久歯が生えない「先天性欠如歯」にインプラントが最適な理由とは?

他の乳歯は生え変わっているのに、ある部分だけいっこうに生え変わる気配がない…このような状態の場合、先天性欠如歯の可能性があります。

先天性欠如歯は現代では珍しいものではなく、多くの子どもに見られる現象です。

とはいえ、これからどのように対処していったらいいか分からない方も多いと思います。ここでは、先天性欠如歯とその対応について、詳しくご紹介していきます。

 

先天性欠如歯とは

通常は、お母さんのお腹の中にいる時から歯の芽ともう言うべき歯胚というものを持っています。しかし、先天性欠如歯は、生まれつき歯胚がない状態です。

先天性欠如歯は、乳歯でも永久歯でもなる可能性がありますが、今回取り上げるのは永久歯がない場合の先天性欠如歯です。

 

子どもの10人に1人が先天性欠如歯

日本小児歯科学会は、2007年〜2008年にかけて全国初の一斉調査を行い、子どもの10人に1人が永久歯が生えてこない先天性欠如歯であるという結果を発表しました。

10人に1人という確率は、かなり高いといえますね。

1クラス27人の場合、クラスに2〜3人は永久歯の先天性欠如歯の子どもがいることになります。永久歯の歯胚がないと、乳歯は抜けずにずっと生えたままの状態になります。

 

先天性欠如歯になりやすい場所

先天性欠如歯が多く見られるのは、下顎の中央から5番目にあたる第二小臼歯です。第二小臼歯は、前歯と奥歯のちょうど中間あたりです。

前歯2本のすぐ隣りにある側切歯がないケースも、比較的多いといわれています。

 

先天性欠如歯の原因は?

先天性欠如歯の原因は明らかになっていません。顎が小さくなったことに伴う退化であるという説もあります。

永久歯が生まれつき生えてこないと、永久歯より弱い乳歯で一生を過ごさなければならないですし、その乳歯が虫歯などになったら歯を失いかねません

また、永久歯に比べて乳歯はサイズが小さいので、咬み合わせが悪くなったり歯並びが整わなくなったりするなどの悪影響が出る恐れもあります。

 

先天性欠如歯への対応

もしも先天性欠如歯があった場合、対応する方法は大きく2つあります。

ひとつは乳歯を保護して使っていくという方法、もうひとつは抜歯して義歯を入れてしまうという方法です。それぞれ詳しく説明していきますね。

 

乳歯を大事に使っていく

乳歯をできるだけ保存して、大事に長く使い続ける方法です。

丈夫な乳歯であれば、生涯使い続けることも可能ですが、多くの場合は虫歯や歯周病などになりやすいです。

なぜならば、乳歯は永久歯に比べて柔らかく象牙質までの構造も薄いので、一度虫歯や歯周病になると進行が早いからです。

また、乳歯が骨に吸収されてしまうケースもあります。骨に吸収されてしまうと、その部分の歯がなくなってしまうので、義歯などを考えなければなりません。

 

乳歯を抜歯して義歯などで補う

もう一つの方法として、乳歯を抜歯して義歯を入れるという選択肢があります。

義歯にはブリッジ、入れ歯、インプラントなどがあります。しかし、長い目で見ると、少し割高になってもインプラントがおすすめです。その理由は次の章で説明しましょう。

 

インプラントが先天性欠如歯に最適な理由

インプラントは自由診療のため、保険がきくブリッジや入れ歯よりもやや高額です。

しかし、ブリッジや入れ歯に比べてインプラントは先天性欠如歯の対応としては良い選択といえます。

 

他の健康な歯を傷つけない・弱めない

インプラントは他の義歯のように健康な歯にダメージを与えませんブリッジは両サイドの健康な歯を削って、連結した被せものをする治療法です。

健康な歯を削るということは、虫歯や歯周病にかかりやすくなります。万が一、両サイドの歯が虫歯や歯周病になった場合は、もうブリッジはできなくなります

先天性欠如歯の部分は他の義歯で補わなければならなくなり、病気になった歯も治療をしなければなりません。

入れ歯の場合は、隣の歯にフックをかけて支えにします。そのためフックをかけられている歯には噛むたびに負担がかかり、弱くなってしまいます。

フックをかけている歯が弱くなれば虫歯や歯周病にかかりやすくなり、やはりブリッジと同じような将来を辿ることとなるでしょう。

しかし、インプラントは欠如歯の部分の骨に直接埋め込むため、他の歯を犠牲にすることはありません

インプラント自体も毎日のケアをしっかりとしていれば、半永久的にもたせられる治療法です。

 

天然歯と同じくらいしっかり噛める

入れ歯やブリッジに比べ、インプラントは骨が土台となっているために何でもしっかりと噛むことができます

仮に入れ歯やブリッジにした場合、噛む力が天然歯の約半分かそれ以下になってしまうため、硬いものや肉なども食べられる種類が限られてしまいます。

これから活躍する若い人の食事が限られてしまうのは、栄養面から考えてもあまりよくはありませんね。

何でもしっかりと噛むことができて栄養を吸収できるのはインプラント治療であるといえます。

※インプラントは成長段階では治療できません。一般的には骨の成長が止まる16〜18歳程度になれば治療可能です。

 

先天性欠如歯は保険適応の対象

令和2年、診療報酬改定に関わる資料という形で、先天性欠如歯のインプラント治療は保険適用の対象となることが発表されました。

ただし、保険適用となるのは先天性欠如歯が6本以上ある場合です。

この点に注意しましょう。

 

先天性欠如歯の検査は一般歯科でも行える

先天性欠如歯を放置しておくと、咬み合わせや歯並びが崩れてしまうことが予想できます。そうなる前に事前に知っておきたいものですね。

先天性欠如歯は、パノラマX線写真で撮影すると分かります。パノラマX線写真は、一般の歯科ならどこでも行っていますので、簡単に検査してもらえます。

もしも先天性欠如歯があると分かった場合には、長期的な計画をもって治療方法を相談することになります。

治療方法のメリットとデメリットの他、治療にかかる期間や費用、最適な治療時期などを、担当医によく聞いておきましょう。

 

先天性欠如歯とインプラントのまとめ

先天性欠如歯は昔は珍しいものでしたが、今や10人に1人という時代。ご自分のお子さんがなっている可能性も十分に考えられます。

できれば早めに検査して、発見することが重要です。発見が遅くなると歯並びが悪くなり、矯正の必要が出てきてしまいます。

また、もしも乳歯が抜けたあとなかなか永久歯が出てこない場合には、一度歯医者に相談しましょう。そのままにしておくと、虫歯になる可能性が高まります。

◆この記事のまとめ
1. 先天性欠如歯とは生まれつき歯胚がない状態
2. 先天性欠如歯を放置しておくと歯並びが悪くなる可能性がある
3. 先天性欠如歯の対処法は乳歯の保存と義歯の2つ
4. インプラントは他の治療法に比べて健康な歯にダメージを与えない
5. 先天性欠如歯が6本以上ある場合は保険適用となる