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ワクチン接種前後はインプラント治療を控えるべき?手術のタイミング



新型コロナウイルス感染症の対策として、ワクチン接種が進んでいますが、インプラント治療の予定が入っている方はワクチン接種とタイミングが重なった場合、どうしたらいいのか悩んでいる方も多いようです。

最近では、インプラント治療の予定が入っていた方からのお問い合わせも多くいただいています。

そのため、この記事では2021年8月30日現在での情報を元に、ワクチン接種前後のインプラント治療のタイミングについて、詳しくご説明します。

インプラント治療の予約を入れようと思っている方、これからインプラント治療を検討している方はぜひご一読ください。

 

1. 新型コロナウイルス感染症のワクチン接種とインプラント治療のタイミング

日本口腔外科学会は2021年6月に「重要なお知らせ」として、以下のような内容を発表しました。

  • ・局所麻酔下および静脈内鎮静下で実施可能な口腔外科小手術については、抜歯後 1 週間以降にワクチン接種可能
  • ・ワクチン接種後であれば 3 日以上経過して副反応が軽度であれば抜歯等口腔外科小手術の実施は可能
  • ・ワクチン接種日には口腔外科小手術による抗菌薬や鎮痛薬を服用していない方が望ましい
  • ・緊急性のある手術は上記に関係なく行うべき

参考:「mRNA COVID-19 ワクチン接種と口腔外科手術のタイミングについて」日本口腔外科学会

 

口腔外科小手術とは、インプラント治療や抜歯、親知らずの治療などのいわゆる出血を伴う歯の治療全般のことを指します。

また、インプラント治療では、局所麻酔を使うのが一般的で、注射や不安が強い方には静脈内鎮静法という点滴麻酔を用いることがあります。

発表の内容は医療従事者向けなので、少し分かりにくいかもしれません。もう少し噛み砕いて説明していきますね。

 

1-1. ワクチン接種前にインプラント治療を行いたい場合

ワクチン接種の前にインプラント治療を行いたい場合は、手術からワクチン接種まで最低でも1週間は間を開けるようにしましょう。

特に、ワクチン接種の副作用は、1回目よりも2回目のほうが強く出る傾向にありますね。

ワクチン接種の副作用は、一般的に倦怠感や発熱などです。そして、2回目接種後の副作用は1週間ほど続く場合もあります。

インプラント治療とワクチン接種日が近いと、副作用の症状がインプラント治療によるものなのか、ワクチン接種によるものなのか判断ができません

また、ワクチン接種日当日は、抗菌薬や鎮痛剤飲んでいないほうがいいとしていますが、インプラント治療後すぐは、手術後の痛み止めとして鎮痛剤を服用するのが一般的です。

こうしたことからも、インプラント治療後のワクチン接種は1週間以上開ける必要があるのです。

 

1-2. ワクチン接種後にインプラント治療を行いたい場合

ワクチン接種した後にインプラント治療を行いたい場合は、最低でも3日以上あとにしましょう。

ワクチン接種の副作用が一番強く出るのが当日とその翌日です。副作用の症状は人それぞれで、長引く人は1週間くらい副作用が続く人もいます。

  • 副作用で多く見られる例
  • ・発熱
  • ・倦怠感
  • ・喉の痛み


この他、稀に、三叉神経痛障害や数日後に顔面麻痺などが起こった例もあります(いずれも回復しています)。

インプラント治療の手術には免疫力と体力が必要です。体調が戻らない状態で手術をすると、感染症などのリスクが高まるため、3日経ったから大丈夫とは思わずに、様子を見ながら医師とよく相談してくださいね。

 

2. ワクチン接種前のインプラント治療の予約について

上記のような理由から、インプラント治療の予約はワクチン接種の当日や翌日は絶対に避けてください。

副作用が軽くても、できれば1週間程度は予約を避けるのがおすすめです。

 

3. 【重要】緊急性のある治療は例外です

通常のワクチン接種とインプラント治療のタイミングは先程述べたとおりですが、緊急性のある治療については例外です。

例えば、インプラントが脱落してしまった、転んでインプラント治療した場所を損傷してしまった、インプラントを入れたところが痛むなど、緊急に対処しなければならない場合です。

緊急性があるかどうかについてわからない時は、まずは担当の歯科医師に電話などで相談してみましょう。もちろん、ワクチン接種の予定や、すでに終わっている場合にはいつ行ったかも伝えてくださいね。

 

4. 倦怠感や発熱がある場合は治療を控える

かなり前からインプラント治療の予約を入れており、ワクチン接種から3日以上経っていても倦怠感や発熱がある場合は、インプラント治療を控えましょう

先程もお伝えしたとおり、体の免疫力が下がっていると細菌感染するリスクが高くなり、合併症を引き起こしてしまう可能性があります。

 

5. ワクチン接種後もやっておいたほうがいいこと

  • 手洗い、うがい、マスク、消毒
  • ソーシャルディスタンス
  • 虫歯や歯周病の治療
  • 歯垢や歯石の除去

ワクチンを接種すると、新型コロナウイルス感染症の感染リスクや重症化リスクを減らすことができます。

ただ、まったく感染しなくなるわけではなく、臨床日数が浅いため持続期間もまだ明らかになっていません

日頃の消毒やマスクなどは続けて行うのが望ましいですが、口内のケアも感染予防に役立ちます。

特に、歯周病の原因となるジンジバリス菌を減少させることが予防につながることが分かっています。ジンジバリス菌は、新型コロナウイルスが体内に侵入するのを助けるからです。

歯垢や歯石はそうした細菌の温床です。

歯垢や歯石の除去に努め、虫歯や歯周病のある方はできるだけ治療をし、自宅でも歯ブラシだけでなく歯間ブラシなどを使って積極的に口腔ケアを行いましょう。

 

まとめ

ワクチン接種をしてからその効果が発揮されるまでには1〜2週間かかります(厚生労働省「新型コロナワクチンについて」より)。

その間、インプラント治療を進めて免疫力を下げるわけにはいきません。また逆も然りです。心配な方や不安のある方は、お気軽にご相談くださいね。

◆この記事のまとめ
1.ワクチン接種の前にインプラント治療を行う場合は、接種まで1週間は開ける
2. ワクチン接種した後にインプラント治療を行いたい場合は、最低でも3日以上後にする
3. ワクチン接種の副作用は2回目のほうが強く個人差がある
4. 接種後3日目以降で副作用が軽ければ、医師に相談してインプラントができる可能性がある
5. インプラント治療の予約はワクチン接種の当日や翌日は絶対に避け
6. ワクチン接種当日は鎮痛剤や抗菌剤を使っていないことが望ましい
7. 緊急の場合は医師に相談する