こんにちは田口歯科医院です!
インビザライン矯正は患者様ご自身でマウスピースのつけ外しをおこないます。
そのためうまく装着できておらずにマウスピースが浮いた状態で使い続けていると、思うように歯を移動させることが難しいです。
今回はインビザライン矯正中にマウスピースが浮いてしまう原因と対処方法、浮いたまま使用していた場合のリスクについてお話しいたします。
目次
インビザライン矯正中にマウスピースが浮いてしまう原因とは?
インビザライン矯正は治療をはじめるときに歯型やレントゲン写真をとってシミュレーションをおこない、治療完了までのすべてのマウスピースを作ります。
シミュレーション通りに歯を移動させていけるとマウスピースが浮くことは少ないですが、様々な原因により浮きが出てしまう可能性があるのです。
主な原因としては下記のことが考えられます。
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マウスピースをしっかり装着できていない
インビザライン矯正のマウスピースをしっかりとはめこむことで思うように歯を移動させていくことができます。
慣れないうちは着けることが難しいかもしれません。そんなときにはチューイーを使用してみてください。
チューイーはシリコンでできているチューブで、マウスピースをはめこむときに噛むと奥までしっかりと装着することができるアイテムです。
マウスピースに慣れてきても、実は装着が甘いこともありますのでチューイーを使い続けることを心がけていただくと良いかと思います。
交換するマウスピースの順番が正しくない
インビザライン矯正で使うマウスピースは交換していく順番が決まっています。間違った順番で使用するとうまく着けることができません。
また、矯正治療をはやく終わらせたいお気持ちはわかりますが、順番を抜かしてひとつ先のマウスピースを使用することも止めましょう。
合わないマウスピースを使っていると、かえって治療期間が延びてしまうことも考えられます。交換する際にはマウスピースの番号をよくみてからおこなってくださいね。
そのときの歯並びとは形状が違うため
シミュレーションをおこなって歯の動きを予想しているため、そのときの歯の状態とすぐには合いません。これは主にマウスピースを交換したばかりのときに起きやすいです。
およそ一週間で浮きにくくなるかと思いますので、チューイーを使ってなるべく奥までしっかりとはめこむようにしてください。
つけている時間、交換する期間が守られていない
マウスピースは一~二週間毎に次のステップのものへ交換し、一日22時間以上着けることを必ず守ってください。
インビザライン矯正はまとめてマウスピースをお渡しできるため通院回数が少なくても治療できるという利点がありますが、その分自己管理が必要になります。
マウスピースを交換する間隔や着ける時間をあいまいにしていると、浮きが生じる可能性があるのです。
関連記事:インビザラインの装着時間が守れないとどうなる?装着を忘れない方法
マウスピース自体に問題が有る
マウスピースは違和感があまりでないように薄く作ってありますので、乱暴に扱うと割れてしまいます。
また、熱に弱いプラスチック素材で熱湯に入れると変形することがあるため取り扱いには注意が必要です。
万が一変形するとはめこむことができない可能性がでてきますので、普段から変形させないように注意しましょう。
マウスピースの浮きが出やすい場所とは?
インビザライン矯正のマウスピースは、動かす方向や歯がどのように生えているかにより浮きが出やすい場所があるのです。
特に浮きが出やすい場所についてご説明いたします。
尚、下記のように浮きの出やすい場所は事前にアタッチメントをつけてマウスピースの浮きを防ぎながら治療します。
ねじれがあるところ
ねじれがある場所はマウスピースとずれがでやすいため、浮きが出やすいです。
上の前歯の中央から二つ目の歯
上の前歯の中央から二つ目の歯は他の歯よりも小さいことが原因で、浮きが出やすいです。
マウスピースの浮きはどのくらいあると治療に影響がでるの?
マウスピースを次のステップへ交換したときには特に浮きが出やすいです。
このようなときには多少浮きがあっても、チューイーを使用して一週間ほど経つと落ち着きます。
落ち着くことなく、2ミリ以上の浮きがあるケースやつけ外しするときに痛みがでるケースはそのままにせずに歯科医師へご相談ください。
歯とマウスピースが大きくずれている可能性があり、場合によってはマウスピースを新しく製作することもあります。
マウスピースが浮くときはどうしたらいい?
マウスピースの浮きが気になるときには、いくつかの対処方法があります。ご紹介した対処方法を試しても気になるときには、遠慮せずに歯科医院へご連絡ください。
装着している時間、交換する期間を守る
インビザライン矯正はマウスピースの自己管理がとても大切です。一日22時間以上と長時間着けている必要があります。
マウスピースを着けている時間が足りなかったり、勝手に交換する期間を変えてしまうと思い通りに歯を移動させることができません。浮きを予防するためにも歯科医師の指示をしっかり守りましょう。
チューイーを使用してマウスピースを装着する
チューイーはひとつの歯に対して5回程度噛んで、全部で3分ほど噛みながら使用するのが理想です。
特に、はじめてマウスピースを使いだしたときやマウスピースを次のステップへ移行したときは浮きが出やすいためグッと力を込めて噛むようにするとはめこみやすいです。
チューイーは弾力が無くなりましたら、交換して新しいものを使用するようにしてください。
前のステップのマウスピースへ戻ってみる
患者様の歯の移動速度によっては、マウスピースを交換したときに浮きが大きく出てしまうことがあります。
そのような場合には、前のステップのマウスピースへ戻して3日ほど過ごしてみてください。その後もう一度次のステップへ進んでみると、浮きがでにくくなることもあります。
患者様ご自身で前のマウスピースへ戻すことが正しいかどうか不安なときには、歯科医師へご相談いただくことがオススメです。
また、患者様の判断で前のマウスピースを使用してみたときには次回の通院日に忘れずにお伝えくださいね。
歯科医院へ連絡してみる
上記でご紹介した方法をおこなってみても浮きが改善されないときには、治療計画がスムーズではなくなっているかもしれません。
気になるときは、歯科医院へご連絡ください。
治療計画を練り直す必要があるかと思います。場合によってはマウスピースを作り直すがあるのです。
また、どうしてもうまくいかないケースではワイヤーを使って部分矯正をすることもあります。
当初の治療計画よりも期間が長くなることをご留意ください。
マウスピースが浮きのある状態で使うとどうなるの?
マウスピースに浮きがある状態でそのまま使用し続けるとどんな弊害があるのでしょうか。詳しくご説明いたします。
歯ぐきに痛みがでる
マウスピースはしっかりとはめられていれば縁が歯ぐきやお口の中を傷つけにくいように作られています。
しかしながら、浮きがある状態ですと歯ぐきやお口の中を傷つけてしまうこともあるのです。傷がついて口内炎になると、飲食することもままなりません。
通院したときには浮きが無いか確認させていただきますが、その前にご不安な点がありましたら無理せずにお伝えくださいね。
治療の効果がでない
ひとつひとつの浮きが大したことではなくても、徐々にズレが大きく生じてくる可能性があります。
マウスピースが入らなくなるほどの浮きが出るということは、歯が思い通りに動いてないということです。
そのようなケースではそれまでの治療の効果がでていないため、治療計画を立て直してマウスピースも新しく作ることになります。
まとめ
インビザライン矯正はマウスピースの浮きがでるといったケースが起こりやすいです。
浮きが大きいと治療計画がうまく進んでいない可能性がありますので、浮きが二ミリ以内に収まっているかご確認ください。
多少の浮きがあっても、チューイーを使って鏡の前で装着すればしっかりとはめられるかもしれません。チューイーを使用しても浮きがでるときには、お早めに歯科医院へご相談くださいね。
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