予防処置PREVENTION

予防について想うこと

皆さまが歯医者に行く時は、どのようなイメージをお持ちでしょうか?
「悪くなってから」「痛くなってから行く」と連想される方が多いと思います。
すなわち「歯医者は治療をしに行くところ」と言うイメージを抱く方がほとんどなのです。

確かに悪くなってしまったら治療する他ありません。
しかし一度削ってしまった歯は元通りには戻りません。
悪くならないように、削らないように予防をすれば歯を失うリスクを抑えることができます。

皆さまは欧米諸国の高齢者(80歳)の平均残存歯数(残っている歯の平均本数)をご存知ですか?
表を見てわかる通り、予防先進国のスウェーデンと日本とでは、高齢者の残存歯に16本もの差があります。
なぜここまでの違いが出るのでしょうか?

調べた結果、日本は欧米諸国に比べて圧倒的に定期検診の受診率の割合が低いということが分かりました。
スウェーデンやアメリカ、イギリスでは定期検診の受診率が70~90%と高く、それに伴い80歳時の平均の残存歯数も多くなっています。
一方で日本は受診率が2%と低く、残存歯数もわずか8.8本です。
すなわち日本は他国と比較して予防意識が非常に低い国、それゆえに失わなくても良かったご自身の歯を失っていると言っても過言ではないでしょう。

80歳時で欧米諸国と日本の平均残存歯数

平均残存歯数
スウェーデン 25本
アメリカ 17本
イギリス 15本
日本 8.8本

欧米諸国と日本の定期検診受診率

平均残存歯数
スウェーデン 90%
アメリカ 80%
イギリス 70%
日本 2%

大切な歯を守るために

定期的なメンテナンスが大切です

毎日しっかり歯を磨いている方でも、むし歯や歯周病になってしまう方も多くいます。
治療は早く始めるに越したことはありません。「ちょっとついでにメンテナンスしようかな」という感覚でも構いません。3~6ヶ月に1回は歯科医院で定期検診を行いましょう。

予防のポイント
  1. セルフケア(ご自身のケア)とプロフェッショナルケア(歯医者でのケア)の両方が必要なこと
  2. 患者さまのデンタルIQを高める。そのために歯科医院としっかりコミュニケーションを取ること
  3. 定期検診をしっかりと受診すること
  4. 予防の本当のスタートは治療を終えてからはじまるということ

予防方法

スケーリング(歯石除去)

歯石はご自身で取り除くことはできません。
定期的に歯科医院へ通い、「スケーラー」と呼ばれる専用機器を用いて歯石を取り除いてもらいます。

PMTC(プロフェッショナル・メカニカル・ティース・クリーニング)

むし歯や歯周病の原因となる歯垢(プラーク)や食べ物、タバコでついた着色汚れなどは、毎日のブラッシングでは取りきれません。 そのため、PMTCという歯科医院でしかできないクリーニングがあります。蓄積しがちな歯垢や着色汚れ、バイオフィルムを取り除き、むし歯や歯周病を防ぎます。

フッ素

フッ素には「歯質を強化し、むし歯になりにくくする」「むし歯になりかけた部分の再石灰化を促進する」「抗菌作用、抗酵素作用によりむし歯菌の活動を抑制する」働きがあります。
むし歯予防にはフッ素塗布が欠かせません。

ブラッシング指導

ブラッシングの方法は、歯の位置や状態、年齢などによって使い分ける必要があります。
当院では、お一人おひとりに合わせた正しいブラッシング方法をアドバイスいたします。

症例

Before
After
治療内容 歯石・着色を除去します
期間 1~2日
リスク 特にありません
副作用 特にありません
費用 保険適応